(※写真はイメージです/PIXTA)
妻がハマった沼…その驚愕の「中身」
最初は、将来への漠然とした不安を相談しただけでした。しかし、カウンセラーは巧みな言葉で美咲さんの心に入り込み、「ご主人の運気を上げるための祈祷」「ご家庭の不浄を払う“波動水”」など、次々と高額なサービスや商品を契約させていきました。
「これは家族のための投資よ」
カウンセラーにそう言い含められ、夫に秘密で借金を重ねていたのです。クレジットカードの明細には「開運鑑定料」「波動石代」といった、伸二さんには到底理解できない項目が並んでいました。家族のためだったはずの行為が、家族を借金地獄に突き落としていたのです。
「家計のブラックボックス化」を防ぐために
瀬田夫妻はなぜ、このような事態に陥ってしまったのでしょうか。そうならないために、夫婦間で実践すべき具体策があります。
1.年に一度の「家計棚卸し会議」を義務化する
家計管理をどちらか一方に「丸投げ」にしないことが、すべての基本です。年に一度、決算月のように、夫婦で時間を合わせて家計の全体像を確認する「棚卸し会議」を開きましょう。
<確認すべき項目>
預貯金:すべての銀行口座の残高
負債:住宅ローンやカードローンの残高
保険:加入している生命保険や損害保険の内容と保険料
投資:NISAやiDeCoなどの運用状況
この会議の目的は、相手を詰問することではありません。家計の現状を、夫婦が2人で責任を持って把握することです。
2.数年に一度、夫婦で「信用情報」を開示し合う
自分の信用情報(クレジットヒストリー)がどうなっているか、正確に把握している人は多くありません。住宅ローンのような大きな契約の前だけでなく、数年に一度、夫婦がお互いの信用情報を開示し、交換し合うことをお勧めします。
信用情報機関(CIC、JICCなど)に請求すれば、1,000円程度で簡単に取り寄せることができます。これにより、隠れた借金がないかを確認できるだけでなく、万が一のなりすましによる不正契約などの早期発見にも繋がります。これは、夫婦間の信頼を確認する、新しい時代の習慣です。
「信頼」と「無関心」は違う
夫婦円満の秘訣は、互いを信頼することです。しかし、お金に関して「すべてを一方的に任せる」のは、信頼ではなく「無関心」の表れに他なりません。
真の信頼関係とは、お互いが当事者意識を持ち、家庭の財産という共通のテーマについて、いつでもオープンに話し合える状態を指します。家計の透明性を保ち、夫婦で手綱をしっかりと握ること。それこそが、家族を予期せぬリスクから守る、最も確実な方法なのです。