身に覚えのない「ローン審査落ち」。それは、家族が隠していた“秘密の借金”のサインかもしれません。家計管理に潜む、家庭崩壊のリスクとは?
39歳、月収55万円。スマホ「19万円」の分割払いを断られた理由…身に覚えのない“ブラックリスト入り”の恐怖 (※写真はイメージです/PIXTA)

スマホの分割払いを利用しようとしたら…

その日、瀬田伸二さん(39歳)の日常に、小さな“歪み”が生じました。

 

きっかけは、携帯ショップでの些細な出来事。5年使ったスマートフォンを、19万円の最新機種に変更しようとした際、分割払いの審査に落ちてしまったのです。月収55万円の自分がなぜ? 不思議に思ったものの、その日は一括払いに切り替えることにして帰宅しました。

 

しかし、その夜、伸二さんはリビングに見慣れない、手のひらサイズの奇妙な水晶が置かれていることに気づきます。専業主婦の妻、美咲さん(仮名)に尋ねると、「あ、それは、ちょっとしたお守りよ」と、戸棚の奥にしまい込みました。

 

スマホの審査落ちと、妻の不自然な態度、そして謎の水晶。点と点がつながらないまま、伸二さんの心には、初めて妻に対する漠然とした疑念が芽生えはじめました。

住宅ローン審査「否決」…分厚い封筒が明かした“真実”

その半年後、夫婦の夢だったマイホーム購入計画が、悪夢の始まりを告げます。4,000万円のマイホームのための住宅ローン事前審査に落ちてしまったのです。

 

担当者から「なにかお心当たりは?」と問われ、半年前のスマホの一件を思い出した伸二さんは、自身の信用情報を開示請求することに。数日後、自宅に届いたのは、ずしりと重い分厚い封筒でした。

 

封を開いた伸二さんは、血の気が引くのを感じます。そこには、見たこともないクレジットカード5枚の契約履歴と、合計380万円にもおよぶ借入残高が記されていました。

 

「これは、詐欺かもしれない」

 

青ざめる伸二さんが書類を突きつけると、妻の美咲さんはついに泣き崩れ、すべてを白状しました。彼女がその大金をつぎ込んでいたのは、謎の水晶の送り主でもある、インターネットで人気の“スピリチュアルカウンセラー”だったのです。

 

「あなたには理解できないかもしれないけど……」そう、ポツリポツリと事の次第を告白します。