夫を亡くした後も、義理の親との関係を大切に思う人は少なくありません。血の繋がりを超えて築いてきた絆は、かけがえのないものでしょう。しかし、もしその関係がある日突然、予期せぬ一言によって断ち切られてしまったら。音信不通となった義母を案じ、1年ぶりに義実家を訪れた嫁が目の当たりにした光景。その裏には、想像もしていなかった切ない真実が隠されていました。
姑「もう、あなたとは他人だから」と言い残し、プツリと音信不通…1年ぶりに義実家を訪れた55歳嫁、目の前に広がる衝撃光景

他人事ではない、高齢化と介護の現実

夫を亡くした妻に、その親を介護する法的な義務はありません。しかし、佳代さんのように、法律ではなく、長年築いてきた情や絆で義父母を案じ、関わり続ける人は決して少なくありません。厚生労働省『令和4年 国民生活基礎調査』によると、「要介護者等」と「主な介護者」の関係をみると「子の配偶者」は全体の5.4%。この結果は、あくまでも同居していることが前提で、別居しているケースがどれほどかはわかりませんが、義母や義父の介護を行う人も決して珍しくはありません。

 

また、内閣府『令和5年版高齢社会白書』によると、65歳以上の要介護者等について、介護が必要になった場合に「家族に介護を頼みたい」と回答した人は約3割いる一方で、「介護サービスを利用したい」と考える人が6割を超えています。春枝さんの行動は、まさにこの「子に迷惑をかけたくない」という思いの表れだったのかもしれません。

 

認知症高齢者の数は年々増加しており、2025年には約675万人、65歳以上の高齢者の約5人に1人が罹患すると推計されています。佳代さんと春枝さんのケースは、決して他人事とはいえないでしょう。

 

「これからは、できる限り顔を見に行こうと思っています。私たちは、他人なんかじゃありませんから」

 

[参考資料]

厚生労働省『令和4年 国民生活基礎調査』

内閣府『令和5年版高齢社会白書』