〈本記事の登場人物〉

■永島 亜紀さん(51歳・女性)

身長149cm。残業続きで多忙な日々を送っていた亜紀さんは、食べすぎや飲みすぎの習慣がないにもかかわらず「脂肪肝炎(MASH:代謝機能障害関連脂肪肝炎)」との診断を受ける。1ヵ月前の診察時、亜紀さんの体質改善のため「野菜ジュースや飲むヨーグルト、ゼリータイプの栄養補助食品などに頼らない」というルールを定めた筆者は、今回の診察で体質改善のさらなるポイントを助言する。

「水の飲み方」だけで身体が変わる?

「亜紀さん。飲み物のルールは守れましたか?」

「はい。もともと飲みたくて飲んでいたわけではなく、栄養不足をカバーしたほうがいいだろうという程度だったので、飲まなくても大丈夫でした」

「それはよかったです」

「ただ、そもそも水分をあんまり摂っていなかったです」

「それはもったいない! また改善ポイントを発見できましたよ。火消しに水は必需品です」

「水分はしっかり摂ったほうがいいということでしょうか?」

「体の水分が不足すると便が硬くなって、便秘の一因になります。水とアブラは相対する存在としてたとえられるように、体の脂肪を減らすのにとても重要です」

「そうなんですか。どれくらいの量の水を飲めばいいですか?」

「1日に1.5リットルの水を飲みましょう」

「スープなどの食事から摂る量とは別にですか?」

「食事から摂取するもの以外で、1.5リットルです」

「なるほど……。私にはちょっと多い気がします」

「一度に飲むわけではなく、こまめに飲んでみてください」

「こまめに? 具体的な目安はありますか?」

「朝起きたらコップ1杯200㎖、そのほかに午前中で500㎖、午後に500㎖、入浴前後にコップ1.5杯300㎖の水分摂取をするのが理想です」