(※写真はイメージです/PIXTA)
高所得なのに家計は赤字寸前、貯金ができない
ある日、月末のクレジットカード明細を確認していたAさん夫妻は顔を見合わせました「こんなに働いてるのに、どうしてお金が残らないんだろう?」 。
世帯年収2,000万円……。一般的に高所得層のはずです。にもかかわらず、貯金は増えるどころか、家計簿は赤字ぎりぎり。その原因は、膨らみすぎた「見えない固定費」でした。
『いける』と思ったのに…
「年収1,000万円を超えていれば、1億円くらいのローンは通りますよ」と不動産営業マンにいわれ、ペアローンで1億1,000万円を借入。金利の低さもあって、心理的ハードルはそれほど高くなかったといいます。実際、住宅ローン審査はすんなり通りました。
見えない固定費
「ローンのシミュレーションで月35万円と聞いて『いける』と。でも、管理費や駐車場代を足すと月50万を超えていたんです。この“見えない固定費”が、ボディブローのように効いてきました」
実際、白金のタワーマンションは維持費が高く、管理費と修繕積立金で月8万円以上。駐車場代は月8万円。住宅ローンの返済と合わせると、住居費だけで月50万円程度が固定で消えていきました。
想定外の支出
それに加え、子育てコストも“想定外”の連続でした。Aさん夫妻には、2歳になる娘がいます。保活に励んだものの、港区の認可保育園には入れず、利便性を優先した結果、認可外保育園とベビーシッターを利用。保育コストは年間150万円を超えていました。さらに「将来の選択肢を広げたい」とインターナショナルプリスクールの体験にも参加し、月3万円の英語教室に通わせていました。
また、車は2台保有しています。Aさんの趣味の高級外車に、妻Bさんは子どもの送迎用に国産のコンパクトカー。駐車場代は2台で月8万円、保険・税金・ガソリン代を含めれば、車だけで年間120万円以上の維持費が発生していました。
「住宅費」「保育・教育費」「車両費」といった固定費だけで、毎月の支出は80万円以上に。手取り収入が夫婦で月115万円~120万円あっても、そこから生活費を差し引くと、貯蓄に回せるお金はほとんど残りません。それが“年収2,000万円夫婦”の現実だった。