
世帯年収1,300万円も…49歳父が頭を抱える「教育費」の圧迫
牧野和啓(かずひろ)さん(仮名・49歳)は、妻の裕子さん(仮名・48歳)と長男(15歳・中学3年生)、長女(12歳・小学6年生)と、都内にあるマンションに暮らしています。
世帯年収は約1,300万円(夫1,000万円、妻300万円)で、月々の手取り額も夫婦あわせて約65万円。客観的に見れば「自分たちは高収入の部類に入る」と思っていたものの、一向に貯蓄が進みません。
特に贅沢をしていない牧野家の家計をもっとも圧迫しているのは、2人の子どもたちにかかる「教育費」です。
家族が住んでいるのは、都内のなかでも“中学受験熱”の高い地域。夫婦ともに地方出身で中学受験の経験はありませんでしたが、環境とは恐ろしいもので、いつの間にか親も子も当然中学受験する気になっていました。
なんでもそつなくこなす長男は、親の手を煩わせることなく第1希望の私立中学に合格。しかし、現在小学6年生の長女は、長男のように順調にいかず苦戦しています。
成績は一向に上がらず、集団塾と並行して、個別指導塾にも通わせることにしました。
「国のデータ」からは見えにくい“本当の生活費”
総務省の「家計調査令和6年(2024年)」によると、夫婦と子ども2人の4人家族の場合、月あたりの生活費は平均約34万1,000円となっています。
しかし、その内訳は住居費が約1万5,000円、教育費が約3万円となっていて、住宅ローンの返済額や私立中の学費、中学受験にかかる塾代などが含まれていないことは明らかです。
牧野家では、住宅ローンの返済が月に約12万円、長男の学費と長女の塾代で月に約17万円かかっています。それらを合わせると牧野さん夫婦の手取り約65万円では毎月ギリギリの収支で、貯蓄に回す分をなかなか捻出できないでいたのでした。