グローバル化が進む現代、「我が子を英語堪能にしたい」と考える人も少なくないのではないでしょうか。早期の英語教育に力を入れ、「インターナショナルスクール」への進学を選ぶ人も増えているようです。本記事では、AFPの石川亜希子氏が、インターナショナルスクールのメリット・デメリットについて、具体的な事例をもとに解説します。
うちの子もバイリンガルに!…世帯年収1,300万円の40代“教育熱心”ワーママ、インターナショナルスクールに通う6歳愛息の「まさかの告白」に後悔が止まらない【AFPの助言】 (※写真はイメージです/PIXTA)

きっかけはプリスクール…インターナショナルスクール入学を後悔、そのワケとは

都内に暮らす斉藤有美さん(仮名、42歳)は、夫の和也さん(仮名、44歳)と一人息子の晴翔(はると)くん(仮名、6歳)との3人家族です。2人は共働きで世帯年収は約1,300万円ほど。晴翔君はプリスクールを経て、インターナショナルスクールに入学したばかりです。

 

プリスクールとは、未就学児を対象に英語で保育を行う施設のことを指します。0歳児から預かり可能な施設や延長保育が可能な施設もあり、制度上は「認可外保育所」として登録している施設が多く、英語で学び、そして生活する保育園ということになります。

 

費用も保育園と比べて高額にはなりますが、幼児教育・保育の無償化に伴い、保育料には補助が出る場合も多く、一般家庭でも選択することができるでしょう。

 

有美さんは、職場で英語が必要なことを痛感しており、晴翔くんが生まれたとき、息子はぜひ海外で活躍できる子にしたいと思っていました。そんなとき、職場と自宅の中間くらいの場所に新しいプリスクールが開校。夫婦で見学に行き、英語教育はもちろん、幼い時期から異文化に触れることで世界を体感する方針にとても共感し、晴翔くんを一般的な保育園ではなく、プリスクールに通わせることにしたのです。

 

プリスクールに通い、自然と英語を使うようになった晴翔くんを見ているうちに、有美さんは、ここで英語での生活や学びを止めてしまうのはもったいないと考えるようになりました。元々は公立小学校への進学を考えていましたが、夫婦で話し合い、晴翔くんをインターナショナルスクールへ進学させることにしました。

 

しかし、この選択をすぐに後悔することになります。

インターナショナルスクールとは

インターナショナルスクールは、元々は両親の仕事の都合などで日本に暮らす外国籍の子どもたちを対象とした教育施設でしたが、グローバル化に伴い、世界で活躍できる人材が求められるようになったことで、日本人が学ぶことのできるスクールも増えています。

 

ただし、「一条校」と呼ばれる学校教育法に基づく「小学校、中学校、高等学校」とは明確に分けられ、インターナショナルスクールのうち一部の学校が「各種学校」という都道府県知事の認可を受けているに留まります。文部科学省「私立各種学校一覧」によると、令和6年4月現在、東京都で各種学校として認可を受けている学校は約100校、ここに名前のない場合は、無認可ということになります。

 

また、卒業資格についても注意が必要です。

 

たとえば、インターナショナルスクールの中学校を卒業しても、義務教育課程を履行していないと見なされ、そのままでは日本の高校へは進学できないのです。中学校卒業程度認定試験を受験し、合格したうえで、高等学校入学資格を得ることができますが、認定試験は日本語での出題となりますので、対策が必要でしょう。

 

インターナショナルスクールの高校卒業後も、国際バカロレアという国際的プログラムの認定校であれば、国内外の大学入学資格を得ることができますが、そうでなければ、日本の大学に進学するために高等学校卒業程度追認試験の受験が必要な場合もあります。