2024年の私立・国立受験者数は5万2,400名と、少子化傾向の日本においても中学受験する家庭は増え続けています。中学受験は親のサポートが必要なことから“親の受験”ともいわれますが、熱心なあまり行き過ぎてしまった結果“大惨事”を招くことも……。とある家族の事例をみていきましょう。2人の子どもを私立中学に通わせる石川亜希子AFPが解説します。※プライバシー配慮のため、個人情報を含む一部情報は加工しています。
父さんに似て賢いなあ…年収800万円、都内名門私大卒の46歳サラリーマン“愛するわが子のため”が大惨事に…41歳妻から突きつけられた「まさかの事実」に唖然【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

息子を“一流”に…独断で「中学受験」をさせることにしたAさん

都内に暮らすAさん(46歳)は、妻Bさん(41歳)、長男Cくん(11歳)、長女Dちゃん(7歳)の4人家族です。Aさんの年収が800万円、Bさんの年収が200万円あり、世帯年収は約1,000万円あります。

 

Aさんは、地方の進学校から都内の名門私立大学へ進学し、現在は某メーカーで管理職をしています。子どものころから優秀だといわれ、周囲の期待にもしっかり応えてきた“優等生タイプ”です。そのため、自身にも「俺は学生のときから社会人のいまにいたるまで、努力を重ねて成果を出してきた」という強い自負があり、息子のCくんに対しても「努力して優秀になってほしい」との思いがありました。

 

必然的に「息子の将来のためには自分と同じような一流の学歴が必要だ」と考えたAさんは、息子を名門のX中に入れたいと、中学受験をさせることに。

 

「父さんは田舎に住んでいたから中学受験には縁がなかったが、Cは名門の中高一貫校がたくさんある東京に住んでるんだ。努力すれば必ずX中に合格できる。努力は裏切らないからな。X中に入れば、東大を目指せるぞ」

 

寝耳に水の息子はなにを言われているかわからない様子でしたが、Aさんは構わず、Cくんの肩を叩いてこう言いました。

「小5の夏」で急ブレーキ…思いどおりにいかず焦る父

Cくんは、おとなしくのんびりとした性格で、外で遊ぶよりも家のなかで本や図鑑を読んだり、工作したりすることが好きな少年です。しかし、親の言うことに反抗するタイプでもないため、Cくんはいわれるがまま、中学受験用の学習塾に通い始めました。

 

Aさんが低学年のころから「先取り学習」をさせていたこともあり、最初は上位の成績をキープできていたCくん。「うちの子は俺に似て賢いなあ」と、Aさんも満足気です。

 

ところが、小学5年生の夏ごろから、Cくんはテストで思うような成績を出せなくなっていきます。学力別に分けられているクラスも、ジリジリと下がっていきました。小学5年生の夏というのは、算数の内容がグッと難しくなる一方、中だるみしやすい時期でもあります。

 

クラスが下がったからといって、Cくんに奮起するような様子は見られません。

 

「まずい、こんなはずでは……」