厚生労働省「国民生活基礎調査の概況(令和5年)」によると、日本全体の平均世帯年収は524.2万円だそうです。そのようななか、世帯年収1,300万円の牧野夫妻は、贅沢をしていないにもかかわらず「貯蓄が進まない」と悩みます。この世代が陥りやすい「支出過多」の落とし穴について、その対策とともにみていきましょう。石川亜希子AFPが解説します。※プライバシー配慮のため、個人情報を含む一部情報は加工しています。
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和啓さんが息子と交わした「約束」
その後、和啓さんは、具体的な数字を出したうえで、妻と長男を交えて話し合い、下記のような結論を出しました。
「申し訳ないが、いまはいったん、留学を待ってもらいたい。ただし、目的意識を持ち、準備をしたうえで希望するのであれば、『短期留学』をさせられるようにお金を準備する。塾に通っていない分、学校の日々の勉強を疎かにしないことを約束してほしい」
息子も快諾し、「わかった。留学を許してもらえるようにちゃんと勉強するよ」と言い、親子ともに納得のいく話し合いとなりました。
親子双方の願いを叶えるために重要な「軸」
「わが子にいい教育を受けさせたい」……親なら誰でもそう思うかもしれません。しかし、「わが子の可能性を信じたい」「周囲に遅れたくない」という心理から、一度増やした教育費を削ることは難しいものです。その選択が、家計や人生を大きく制限してしまうことにもつながります。
大切なのは、「我が家が大切にしたいことはなにか」という軸を持つことです。子どもを含めて家族で話し合っていきたいところですね。
石川 亜希子
AFP