自分にとって「相性の良い大学」とは?
配点についても、さまざまなパターンがあるので、自分の得意科目を生かせる大学を探してみる必要があります。自分の得意とする科目の配点が高く、苦手な科目の配点が低い大学ほど得点率を高められます。ですから、志望大学の配点型にも注目しておきましょう。
例えば、下表の配点で、数学と理科は得意だが英語や国語などの文系科目がやや苦手という受験生が、滋賀医科大学と大阪公立大学とを比較した場合、共通テストの配点では、大阪公立大学の配点のほうが理数科目の得点率が高くなる計算になります。
広島大学の場合は、前期日程の2次試験で、A(s) 配点(理科重視型)とA(em)配点(英数重視型)、B配点(各教科均等型)という3つの配点型を用意し、まずA(s)配点とA(em)配点で2分の1の合格者を決定し、残りの合格者はB配点(一般型)で決定しています。特定の科目が得意な受験生は、A配点での得点率を高められますので、得意な科目を徹底的に対策して、さらに高得点を取れるようにしておくと、合格の可能性が飛躍的に高まります。
私立大は英語・数学・理科2科目の3教科4科目という大学が圧倒的に多く、順天堂大学、東邦大学は英語の配点が高くなっています。理科の各科目についても、英語、数学と同じ配点の大学もあれば、英語、数学よりも低い配点の大学もあります。また、出題傾向にもいろいろなタイプがあり、問題量が極端に多い大学や、マークシート式でスピードが必要な大学は、じっくり考えるタイプの受験生には向きません。
こうした配点や出題傾向を考慮した、受験大学の戦略的選定(マッチング)も重要です。
まずは大学の入試問題を分析します。分析するのは下の5つの項目です。
これらの5つの項目について、自分にとって有利になるか不利になるかを考えていきます。これについては自分でもある程度できそうですが、私が教務統括を務めているメディカルラボはマンツーマン授業なので、医学部入試に精通したプロ講師が生徒ごとに5つの項目について客観的に細かく分析できます。それを基に、その生徒の学力特性と相性の良い出題の大学を探し、受験校選定に活用しています。
可児 良友
医系専門予備校メディカルラボ 本部教務統括

