① 将来、どのような医師になりたいか
まずは「未来の自分」です。将来像や未来像を描くためのポイントは「どういう医師、どういう研究者になりたいか」ということです。志望理由書の中で最も大切なのがこれになります。未来についてはできるだけ具体的に考えてください。
「自分が考える理想の医師像とは」 、「自分がなりたい素敵な医師とはどんな人か」などと自問し、自分の将来像を映像化できるくらい、かなり詳細にそのイメージを考えましょう。よく志望理由書に「患者に信頼される医師になりたい」 、「地域医療に貢献する医師になりたい」、「患者の気持ちへの想像力・共感力を持った医師になりたい」などと書かれていますが、そこからさらに掘り下げて自問してください。
例えば、「地域医療に貢献する医師になりたい」と考えた場合、図のように、「地域医療に貢献する医師」を基に10個程度は具体化する質問を考え、その答えをイメージしてみましょう。

それでも、なかなかイメージできない場合は、身近なところから考えていきます。例えば、テレビドラマや漫画にも医師が出てくる話はいくつかありますから、それを題材にして「どんな医師が理想に近いか」 、「好きなドラマでは医師がどのように医療に取り組んでいたか」などを切り口に考察していくと、なりたい医師像を大まかにイメージしやすいでしょう。また、病院で働く医師の仕事には、診療以外にも患者さんと接する機会があるでしょう。
単純に、患者さんの病気を治すだけではなく、精神面でのサポートや、家族の不安を和らげることも必要になってくるなど、いろいろな場面が考えられます。さらに患者さんへの対応だけでなく、他の医療スタッフへの対応や他の診療科との連携など、さまざまな役割が出てきます。こう考えていくと、医師の仕事は非常に広範囲に及ぶものであるということを自覚するようになります。
あるいは、自分史を考えてみるのも良いでしょう。「10年後の自分、20年後の自分、30年後の自分、40年後の自分……」と、これから自分がつくり出していく未来を考えるとさらに具体的になります。「50代になったらこういうことができる医師になっていたい」ということを思い描き、「医師になった自分は、世の中にどのように貢献しているのか」といったことを考えてみます。このように、「医師になったら自分が社会の役に立ち、貢献できる」と思うことは、高いモチベーションにつながるはずです。