マイホームに庭が欲しいと思っても、敷地条件や費用面であきらめてしまう人もいるでしょう。実は、建物の構造を工夫することで、庭のある暮らしを実現できるかもしれません。本記事では平松建築株式会社・代表取締役の平松明展氏の著書『住んでよかった家 理想の暮らしがずっと続く15の空間』(KADOKAWA)より、「コの字形の家」という特殊な構造を選択したことで、庭を手に入れた事例を紹介。初期費用がかさんでも「コの字型の家」にしてよかった理由を、設計のポイントとともに探ります。
マイホームの庭はあきらめるしか…一転、特殊な構造で初期費用がかさんでも「コの字型の家」にしてよかった理由 (※写真はイメージです/PIXTA)

1.窓外の眺望を楽しめるLDK

[図表2]窓外の眺望を楽しめるLDK

 

北側のダイニング、南側のリビング、また東側の階段越しにキッチンからも庭(ウッドデッキ)を見ることができる。3面が窓になっているため、空間が広く見える効果も。防犯、プライバシー確保も叶えている。

2.小窓からの採光で落ち着きのある空間演出

[図表3]小窓からの採光で落ち着きのある空間演出

 

ダイニングは庭に面していない外壁に小窓を設置し、そこからの採光も取り入れている。小窓には一面壁という圧迫感を取り除くデザイン的な要素もある。

3.庭の上は屋根つきバルコニー

[図表4]庭の上は屋根つきバルコニー

 

コの字のあいたスペースに、1階はウッドデッキ、2階はバルコニーを設置。延べ床面積が小さくなっても生活に必要な空間を確保できている。雨の降り込みを防ぐメリットもある。

4.家族が同時に過ごせる広さを確保

[図表5]家族が同時に過ごせる広さを確保

 

構造に合わせた間取り設計にすると、広さに余裕が生まれる。洗面所は2人が並べる幅。キッチン→洗面所(脱衣所)→お風呂というスムーズな同線になっている。