(※写真はイメージです/PIXTA)

少ない自己資金で始められることから注目を集めている「アパート経営」。年収700万円以上、自己資金300万円程度と参入するハードルは低いですが、失敗せずに長く続けるためには押さえておくべきポイントをしっかりと把握しておかなければなりません。ケイアイスター不動産「アパート事業部」部長の戸塚さんと「コンサルティング営業課」課長の藤井さんに、気をつけるべきポイントを聞きました。

立地選びの盲点とは?“駅力”が弱くても成功する条件

――アパート経営で気をつけるべきポイントを教えてください。まず立地は、周辺に何もなく、駅からも遠い立地は避けるべきでしょうか?

 

個人的には人口が少ないからダメとは思いません。需要にマッチしていれば問題ないと考えています。例えば大学や病院が近くにあれば、“駅力”が弱い駅でも一定の新築需要があります。まったく新築が存在しないエリアで年間1棟程度の供給ならば、間違いなく部屋は埋まるでしょう。逆に、どんなによい場所でも供給過多になれば家賃は下がります。需要と供給のバランスをどこまで見定められるかが非常に重要だと思います。

 

たとえば「SUUMO」などのポータルサイトで1Kを見てみると、賃貸募集物件が400、500と常に出ているようなエリアがあります。つまり1Kが常に飽和しているエリアということなので、1Kで供給すると価格競争に巻き込まれてしまうわけです。そうすると、新築で1回転目では入居がついたけれど2回転、3回転目で想定した賃料が取れないという事態を招きかねません。新築の1回転目は部屋が埋まるものなので、そこに惑わされずにしっかりエリア性と需要と供給のバランスを見定めることが大切です。

 

今がチャンス?物価上昇時代の借り入れ戦略

――次に、借り入れのリスクについて教えてください。過剰な借り入れは避けるべきでしょうか?

 

個人で借りるのであれば、「借りられるだけ借りたほうがいい」と考えています。なぜなら個人の信用に対して銀行がお金を貸すので、レバレッジがきくわけです。元手なしで集められる資金を投資に回せるのが不動産投資の長所。借りた資金をしっかりとした投資先に投資すれば問題ありません。アパート経営は自分でリスクを見たうえで投資できるので、借り入れはそれほどのリスクではないと思っています。

 

リスクとは、物件を見もせずに、不動産会社にいわれたままの物件を購入してしまうことです。信頼できる会社の信頼できる担当者と納得いくまで話し合ったうえで任せて借り入れするのであれば、リスクにはならないでしょう。また、不動産投資であれば、最悪の場合は物件の売却をしてしまうという選択肢もあります。売却を見据えて物件を選べば大きなリスクとはならないと思います。

 

特に、現在の物価が上昇している状況を考えると、なおさら借りられるだけ借りておいたほうがいいと考えています。インフレが進むと貨幣価値が下がるため、資産価値が保たれる現物資産に投資をしておくことがインフレ対策として有効です。アパートも1年後には今の金額では買えなくなっていることが予想されます。遅くなればなるほど借り入れしづらくなりますし、金利も上がっていきますので、今のうちに借りられるだけ借りてしまうのが賢い方法ではないかと考えています。

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