医学部への志望理由を書いてみよう
医学部入試では、出願の際に志望理由書を提出させる大学も多く、面接試験でも志望理由を聞く大学がほとんどです。そのため、将来像や未来像を考えてみることは、志望理由書の作成や面接試験で志望理由を答える準備にもなります。したがって、早い段階から志望理由を整理しておくことは重要であり、決して無駄にはなりません。
志望理由書は、「過去の自分」「現在の自分」「未来の自分」という3つの時間軸でイメージデザインすることから始まります。
そのイメージを基にして、まず志望理由書を1,200~1,600字程度で書いてみましょう。
実際には、1,200字以上の志望理由書が必要となる大学は少ないでしょう。しかし、厳しい医学部入試を乗り越えるためには、できるだけ具体的に、なおかつ詳細に自分の考えを整理し、医師の志望理由や理想の医師像を自分の中で明確にする必要があります。そのためには最低でも1,200字程度で志望理由を書いてほしいのです。
頭の中で漠然と、「将来は医者になる」と考えているのに比べ、実際に文章として志望理由をまとめる作業は、自分の中にある漠然としていた「医師になるイメージ」を整理し、また自分を客観的に見る訓練となります。
自分の考えを整理し、それを文章にし、書いたものを読み直して納得がいかないところは書き直し、書いているうちにまたイメージが膨らみ、ということを繰り返しているなかで、「自分は本当に医師になるんだ」という自覚が固まってきます。この「自覚」が固まるということが学習面にも良い影響を与えます。
自分から主体的・能動的に医師を目指す「自覚」があれば、受験勉強に対する姿勢も変わり、学習の質が向上するはずです。目的のない勉強でなく、明確な目的・目標を持った勉強に変わってきます。ですから、受験勉強が本格化する前に志望理由書を書くことは、最短で医学部に合格するために重要なことなのです。
具体的な書き方は次回で解説します。
可児 良友
医系専門予備校メディカルラボ 本部教務統括

