日本人の約6人に1人は、糖尿病または糖尿病予備群だと推計されています(厚生労働省の「国民健康・栄養調査」より)。そんな糖尿病への対策のひとつに「糖質制限」を挙げる人は多いでしょう。しかし、実はこの糖質制限、むしろ血糖値を下げにくくする危険性があるというのです。いったいどういうことなのか、糖尿病内科医・大坂貴史の著書『血糖値は食べながら下げるのが正解』(KADOKAWA)より、43歳女性の事例をもとに詳しくみていきましょう。
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お米もパンも、甘いお菓子も全部ガマン…43歳女性が〈糖質制限〉を徹底した結果「糖尿病の一歩手前」と診断された驚きの理由【専門医が警告】
血糖値は「糖尿病レベル」…“紹介状”を出された坂田さん
近所の内科クリニックで検査結果について相談すると、「OGTT」という経口ブドウ糖負荷試験を受ける予約を入れるように言われた。
検査日までの2週間は血糖値を上げないように徹底的に食事から糖質を抜いた。ご飯、パン、麺などの主食は食べず、お菓子類、朝食のビネガードリンクもやめて、水かお茶にした。
そして、検査に臨んだ結果がこの封書というわけだ。通称“紹介状”だが、正式名称は「診療情報提供書」ということをネットで調べて初めて知った。
経口ブドウ糖負荷試験は、10〜14時間の絶食のあとに75gのブドウ糖を含む液体を飲んで、2時間後までの血中ブドウ糖濃度、つまり血糖値を2時間にわたって測定する検査。この結果が、糖尿病の診断の1つの基準になる。
私の結果は、ブドウ糖液の摂取前が114、摂取30分後が186、摂取1時間後が215、摂取2時間後が217。ヘモグロビンA1cは6.2%だった。2時間後の血糖値が200を超えると、「糖尿病」と診断されるのだそう。
「検査前にしっかり糖質を控えてもこの結果なので、早々に治療が必要でしょう。“紹介状”をお渡ししますから、早めに糖尿病の専門医に診てもらってください」
クリニックの医師から放たれた言葉は、想像以上に私の心を重くした。