糖尿病なら甘いものは禁止、そう考えてしまう人も多いでしょう。糖尿病専門医である大坂貴史氏によると、よいものを選べば甘いものも食べていいといいます。大坂氏の著書『血糖値は食べながら下げるのが正解』(KADOKAWA)より、間食で選ぶべきものと避けるべき“超加工食品”についてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
カップ麺や冷凍ピザ、ついつい食べたくなるが…カロリー密度が高い“超加工食品”の危険性【糖尿病専門医が“おすすめのおやつ”を紹介】
〈本記事の登場人物〉
横田みずほさん(52歳・女性)
1児の母。冷え性が悩み。夫の役職定年で自分の時間が減ったことにより、日々のスイーツタイムが癒しの時間となっていた。糖尿病とサルコペニア肥満※の可能性があると診断され、食生活を改善していくことに。そのなかで、間食の際に避けるべき“超加工食品”について説明を受ける。
※サルコペニア肥満とは……加齢により筋肉量が減少し、筋力や身体能力が低下した状態の「サルコペニア」と、糖尿病をはじめ高血圧や脂質異常症などを悪化させる「肥満」が重なった状態のこと。
できれば避けたい“超加工食品”の正体
「あの、先生……」
「何でしょうか?」
「糖尿病だったら、甘いものは禁止ですよね?」
「禁止という考え方はしないほうがいいです。それよりも、よりよいものを選び取る力をつけられるといいですね」
「……」
「甘いものとひとくくりにせず、“超加工食品”から減らすといいでしょう」
「“超加工食品”って何ですか?」
「名前のとおり、食品の加工度が非常に高い食品のことです。複数の食材を工業的に配合して、何度も加工されてできあがった食品です。菓子パンやカップ麺、冷凍ピザ、クッキーなどが含まれます。原材料が粉状や液体にされてから加工されるため、元の食材の形や質感がほとんど残っていません」
「デニッシュも冷凍ピザも、ミニアソートのお菓子も超加工食品ですか?」
「召し上がっている商品の製造工程まではわからないので、はっきりは言えませんが、その可能性は高いでしょうね」
「……」
「超加工食品は脂肪を増やしやすいんです」
「それはなぜですか?」
「超加工食品には砂糖や脂肪が多く含まれていて、“カロリー密度が高い”です。だから少量でたくさんのエネルギーを摂取しやすく、過剰摂取につながりがちです。さらに消化・吸収が早いものが多いので、満足感を得にくいことも一因でしょう」
「確かにちょこちょこ食べてしまいます……」
「食事の中心が超加工食品になると食物繊維が不足して、腸内で体にとっていい働きをする菌も足らず、便秘につながりやすいですね」
「わかりました。でも、間食をやめられるかしら……」