〈本記事の登場人物〉

坂田加奈子さん(43歳・女性)

1児の母。職場では課長を務めるワーキングマザー。出産を機に体重が増加し、父が糖尿病を患っていることから健康には気をつけていたが、健診でまさかの「再検査」に。

“ふつう”の食生活のはずが…坂田さんのもとに届いた「薄緑色の封書」

薄緑色をした1通の封書。私の今後の人生がこの封書によって、決められてゆくのか……。ここに至る経緯を振り返りたいと思う。

私は20代で結婚。29歳で出産。産後も働き続ける“ワーキングマザー”だ。

昨年、娘が中学生になり、お弁当を作る生活が始まった。忙しさに拍車がかかったのは事実だが、成長期の子どもがお腹をすかせずに1日を過ごすに足る程度のお弁当にはしてあげたいと思う。せめてものがんばりどころだ。

そんなバタバタな朝時間の中で、私は冷蔵庫からいつものやつを取り出してコップに注ぎ、水で割って飲む。“ザクロ果汁入りのビネガードリンク”だ。

家族にはパンや卵にミニトマトをつける程度の朝食を用意するが、私は食べていない。ここ数年、体重の増加に歯止めがきかず、朝から固形物を口にすることに抵抗がある。かつて54kgだった体重が、出産を機に増え続けて60kg台になった。43歳の今は63kgになり、もう少しでかつての私から10kg増になる。ちなみに、身長は162cmだ。

だからといって何もしてこなかったわけではない。ただ最近は食事の量を減らしても、体重が減らないばかりか、増加するいっぽう……。そんなわけで、朝食は美容に効くといわれるビネガードリンクだけになった。

夫と子どもを見送り、私も自宅を出る。通勤途中のカフェでは、温かいハニーラテを購入。はちみつは体によいし、仕事の合間に一息つくときの癒やしドリンクだ。

昼食は、時間が合う同僚と近くのお店で外食するか、コンビニでサンドイッチや調理パン、おにぎりと野菜ジュースを購入することが多い。サラダを買う日もあるが、野菜ジュースがてっとり早くて重宝している。

夕食は自炊を心がけるものの、課長という立場上、部下の仕事の調整に入ったり、上司の決裁を取り付けるべくご機嫌を取ったりしていると、終業時間ピッタリに退社できる日は多くない。帰りが遅くなる日は惣菜に頼ったり、娘とファミレスで済ませたりしている。

そして、先月末のこと。毎年受けている会社の健康診断の結果が届いた。空腹時血糖値が118㎎/dL、ヘモグロビンA1c(エーワンシー)が6.4%で、糖代謝検査の総合判定はC。「要再検査」を示す結果だ。

父が糖尿病を患っていることもあって、糖代謝の結果だけは常に気にしていたが、ついにこの日が来てしまった。