認知症を予防するには「小さくてもよいので趣味をもつことがよい」と医師の和田秀樹氏はいいます。本記事では、和田氏が70代、80代を楽しく生きるために知っておくべき「新常識」について著した『70代、80代を楽しむためにこれだけは知っておこう!』(かや書房)より一部抜粋・再編集して、認知症の予防・進行抑制に役立つ「脳を活性化させるコツ」を詳しく解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
85歳以上の日本人の5人に2人は「認知症」と診断。医師・和田秀樹氏が教える「認知症」と「ど忘れ」の違い。ペンと紙さえあれば0円でできる〈認知症予防〉に効果的なこと
認知症の発症を遅らせる3つのポイント
第一は、「運動をすること」。日光の出ている時間帯に30分程度の散歩をすることがおすすめです。
第二に、「タンパク質をとること」。タンパク質は、セロトニンの材料になったり、そのセロトニンを運ぶ男性ホルモンを増やしたりしてくれます。血管もタンパク質からつくられています。タンパク質の少ない血管は、血圧の高さによって伸びたり縮んだりしませんから、血圧が140とか150になると、すぐに破れてしまいます。栄養状態の悪かった時代には、日本でもこのくらいの血圧で脳卒中が起こっていました。現在では200でも血管は破れません。ですから、そういった意味でも歳をとればとるほど、肉類などのタンパク質を多くとることをおすすめします。
第三が、「水分を十分にとること」です。現在、日本人の脳梗塞の原因として圧倒的に多いのが、動脈硬化(血管が硬くなって柔軟性が失われている状態)なのです。動脈硬化が起こると、脳の血管が詰まりやすくなり、脳梗塞が起こります。その原因の大きなものは水分不足で、水分を十分にとらないまま血液の中で脱水状態が起こると、血液がドロドロの状態になり、動脈硬化が起こっている血管内で詰まりやすくなるのです。
なお、人間ドックなどで「脳の萎縮が進んでいる」と言われても、多くの場合、認知症とは関係がありません。脳が多少萎縮していたとしても、ちゃんと使ってさえいれば、支障はなく、アルツハイマー型の変化さえ始まっていなければ、ほとんど問題はないのです。