
高卒で就職した会社で40年。今は退職金だけが楽しみ
高校を卒業してすぐに地元の中小の食品会社に就職。それから40年間、真面目に一生懸命働いてきたという後藤誠さん(仮名・58歳)。
現在の月収は40万円。年収は550万円ほど。これで家族5人を養うのははっきりいって厳しく、「夫婦共働きだから生活できている」といいます。これまで大変なサラリーマン人生だったものの、最近は、定年後のセカンドライフを夢見て、毎日仕事にも精を出していました。
――うちの会社は60歳で定年ですが勤務延長制度があって70歳まで働くことができます。ただ60歳で退職金を受け取ることができ、今はそれが働くうえでの原動力になっています
退職金の算出方法は成果報酬型やポイント制退職金制度などがあり、また支給方法には退職一時金制度と企業年金制度があり、会社によってさまざま。厚生労働省『令和5年就労条件総合調査』によると、退職給付(一時金・年金)制度がある企業は全体の74.9%。そのうち退職一時金制度のみが69.0%、退職年金制度のみが9.6%、両制度併用が21.4%。つまり7割弱の企業で、退職をもってドンっと退職金を受け取ることができるというわけです。
【学歴・企業規模別「サラリーマンの平均定年退職金」】
■大卒
従業員1,000人以上…2,191万円
従業員300~999人…1,662万円
従業員100~299人…1,347万円
従業員30~99人…1,282万円
■高卒
従業員1,000人以上…2,103万円
従業員300~999人…1,389万円
従業員100~299人…1,208万円
従業員30~99人…803万円
先輩社員の話から皮算用した退職金は1,400万円ほど。これが高卒以来、40年近くも頑張ってきたサラリーマン人生に対して妥当な額なのかわかりませんが、一度にそのような大金を手にする機会なんてそうあるわけがないので、本当に楽しみにしていたといいます。