
夫を亡くした妻。保護猫2匹との生活
健康のために毎日7,000歩ほど歩くのが日課だという藤田幸子さん(仮名・77歳)。休憩のためベンチに座りながら、自宅で握ってきたおにぎりをほおばります。
――具!? 何も入れていないわよ、もったいない(笑)
朝5時に起床。毎日10~14時は近所を散歩し、途中、公園のベンチで昼食(この日はおにぎり)。17時には夕食をとり、20時には就寝。これが毎日のルーティンだといいます。
――寝るのが早い? 年寄りなんてこんなものよ。起きていても電気代がかかるだけよ
10年前に夫を亡くし、以来、ひとり暮らしの幸子さん。そのようななか、一緒に暮らす猫が2匹。どちらも保護猫であり大切な家族です。「猫たちがいなかったら、私の生活はもっと寂しいものになっていたわ」と幸子さんはいいます。
夫婦のためにとコツコツと貯めてきた貯蓄は、夫の病気の治療で多くを使ってしまい、ほぼ底をついてしまったとか。現在、拠り所となるのは自身の年金月7万5,000円のみ。それで自分と猫2匹の食事をまかなっています。
【65歳以上の単身高齢者の1ヵ月の平均支出】
■消費支出…15万4,601円
(内訳)
食料:4万2,973円
住居:1万3,677円
光熱・水道:1万4,528円
家具・家事用品:6,735円
被服及び履物:3,656円
保健医療:9,102円
交通・通信:1万5,984円
教育:12円
教養娯楽:1万6,311円
その他の消費支出:3万1,624円
出所:総務省『家計調査 家計収支編(2024年平均)』
家計はしっかり家計簿で管理しているという幸子さん。食費をみていくと、1ヵ月5,000円ほど。1日150円ほどになるよう抑えているといいます。対して猫の餌代は月8,000円ほど。
――猫より劣っているのね、私の生活(笑)
持ち家のため毎月の家賃は発生せず。光熱費・水道費も、日中はできるだけ外で過ごすようにして、極力節約をしています。節約に節約を重ねて、年金だけで生活できるよう工夫をしています。