(※写真はイメージです/PIXTA)
築50年の一戸建てでの生活に限界
3年前に妻を亡くした佐藤和彦さん(仮名・78歳)。結婚してから建てた自宅での生活に限界を感じることがあるといいます。
住まいは、結婚してから建てた一戸建て。屋根や壁などは何度か修繕はしているものの、そもそも造りが古く、家のなかには段差が多く、階段も急。「転げ降りたら一巻の終わりだな……」、そう思いながらいつも上り下りをしています。
またひとりになりすべての家事を自分でこなすようになり、「こんなに大変な思いを妻はしていたんだ……」と、気づかされることばかり。年齢的にさまざまな家事が重労働となり、徐々に生活が乱れていくのを感じています。
【住み替えを検討している60歳以上の男女に聞いた】
Q.住み替えの検討理由は?
1位「家が老朽化しているため」…16.0%
2位「住宅設備が古く、バリアフリー化されていないため」…15.5%
3位「今よりも広い家に住みたいため」…12.8%
4位「老人ホームや高齢者向け住宅に入居するため」…10.9%
5位「家や庭が広く、維持管理が大変なため」…10.7%
出所:ベンチャーサポートコンサルティング株式会社『シニアの住み替えに関する調査』
そこで、まだ元気なうちにと、長女の協力のもと、老人ホーム探しを始めました。「終の棲家になるような場所。もちろん予算を考えて」とリクエストを出し、それをもとに長女がネット検索。いくつか候補を絞り込み、実際に見学にいってみました。
そこで驚いたのは、最近の老人ホームはどこもキレイで、まるで高級マンションのような雰囲気であること。「失礼ながら、老人ホームは高齢者が仕方なく入るところ、というネガティブな印象をもっていた」と佐藤さん。印象が180度変わり、さらに老人ホーム入居に対して前のめりになっていきました。
こうして3ヵ月ほどかけて決めたのが、子どもたちの家からもほど近い、介護付き有料老人ホーム。介護を必要としない人も受け付けていて、入居者の2割ほどを占めるといいます。初期費用は100万円ほど、月額費用は25万円と、年金受取額が月18万円だという佐藤さん、理想よりは高いものの、新築のように保たれたキレイなホームが気に入り、入居を決断しました。