(※写真はイメージです/PIXTA)
3歳上の夫は「出かけてくる」を最後に帰ってこなかった
人生、何が起こるかなんてわかりません。今日の晩御飯のことを家族と話していたのに、その夜は来ないかもしれない……まさに、そんな悲劇に襲われた菊池恵子さん(仮名・70歳)。今からさかのぼること5年前のこと。事故で夫、昭さんを亡くしました。68歳でした。
――「駅前まで本を買いに出かけてくる」と出ていったきりでした。「気を付けてね」といっていれば、事故に遭わなかったかもしれませんね
結婚して40年弱。「子どもができたら仕事を辞めて、育児に専念するつもりだった」といいますが、子宝には恵まれることはありませんでした。そのため、ずっと夫婦共働き。昭さんはひと足先に仕事を辞めて年金生活に入っていましたが、恵子さんも年金を受け取るようになったら仕事を引退。夫婦でどこかに長旅でも行こうと話していた……そんな矢先のことでした。
恵子さんの憔悴ぶりは周囲が心配するほど。突然の悲劇、仕方がありません。
――ひとりになってしまって、これからすることが何もない、思いつかない。だから65歳で仕事を辞めるつもりだったんですけど、続けることにしたんです。そのほうが気持ちも紛れるかなと思って
結局、70歳になるまで働き続け、会社を退職。以降は穏やかな老後を過ごすかと思えば、パートを始めたといいます。
――高校を卒業してから働くことが当たり前だったから、「仕事をしない」という生活が想像できなくて。前みたいにフルタイムでなくていい、週に2、3日でいいので働きたいなと思って、いまのところに応募したんです
時給1,320円の事務職。週3日の勤務で月9万~10万円になるそう。
――パートの給料だけで暮らしていけるかもしれませんね。お金がかかるといえば食費と光熱費くらいなので