「お金がない!」と騒いでいた大学生のころ。4~6本ほどはいっているスティックパンに牛乳で耐え忍んでいた……そんな思い出のある人も多いのでは。そんな大学時代から月日が経ち、会社でも中堅という年齢で同じように“貧乏めし”を食らう……そんなサラリーマンも少なくありません。
給料のすべてが消えてしまう…〈月収40万円〉45歳サラリーマン、お昼ご飯に「コンビニ弁当すら高くて買えない」の絶望感

戦々恐々…2人の子どもが東京の私大に通うことになったら

緊張感から解放され肩の荷がおりたとはいえ、別の問題が勃発しているといいます。

 

――大学の授業料に、長男への仕送り……やっていけるのか、本当に不安です

 

私立大学の文系学部の場合、初年度は平均120万円程度の学費がかかります。全国大学生活協同組合連合会の調査では、大学・下宿生の仕送りは平均70,120円(2023年)。一方日本学生支援機構の調査によると平均9万1,408円。7万~9万円が、ひとり暮らしをする大学生の子どもへの平均的な仕送り額といえそうです。

 

【入学先別初年度の教育費】

国立大学…28.2万円/53.6万円/81.8万円

公立大学…39.1万円/53.6万円/92.8万円

私立大学文系…22.6万円/81.5万円/14.8万円/118.9万円

私立大学理系…25.1万円/113.6万円/117.9万円/156.6万円

私立大学医歯系…107.6万円/288.3万円/93.1万円/489.1万円

※国公立大学数値、左から、入学費/授業料/初年度教育費

※私立大学数値、左から、入学費/授業料/施設設備費/初年度教育費

 

長男の学費と仕送りで月17万円ほどかかる計算。給与は手取りにすると30万円ほど残り12万円。次男も2年後の大学受験に向けて予備校に通いだし、教育費は増える一方。無駄遣いをしていないのに、給与のすべてが消えてしまうといいます。

 

――次男も東京に私大にいったら、子どもたちの教育費で給与のすべてが消える。このまま給与があがらないのは本当にキツイ

 

戦々恐々とする藤本さん。給与がまったく増えなかったこの数年間のことを考えると、2年後も給与は変わらず……むしろ減額という事態も十分に考えられると藤本さん。最悪の事態に備えて、最近は節約にいそしんでいるといいます。

 

――小遣いは月1万円だから、ランチは週1,500円に抑えたい。1日あたり300円。コンビニで弁当も買えません。もっぱら昼はスティックパンにパック牛乳です。まさかこの年でこんなヒモじい思いをするとは……

 

絶望感に襲われる藤本さん。とりあえず、賃金アップの波が地方の中小企業まで到達せずにはいられないといいます。

 

[参考資料]

厚生労働省『毎月勤労統計調査』

文部科学省「令和3年度子供の学習費用調査」

文部科学省「令和3年度、私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」

e-Gov『平成十六年文部科学省第十六号 国立大学等の授業料その他の費用に関する省令』