
完全独立の二世帯住宅…理想の生活が始まるはずだった
「完全独立の二世帯住宅とはいっても、同居は同居」と心配する友人をよそに、義親との同居生活をスタートさせた香織さん。毎夕食に義母は自慢の料理を持ってきてくれる。子どもたちを幼稚園に送り出したあと義父は毎朝、香織さんの好きなコーヒーを入れてくれる。子どもたちが幼稚園から帰ってきたら一緒に遊んでくれる……「何これ、すごく快適!」と小躍りをしていたのは、最初の数週間だけだったといいます。
▼親との同居割合
どちらかの母親と同居…13.3%
4人の親のうち誰かと同居…15.6%
▼それぞれの親との同居割合
妻の父親と同居…4.2%
妻の母親と同居…5.3%
夫の父親と同居…7.7%
夫の母親と同居…10.6%
出所:国立社会保障・人口問題研究所『第7回全国家庭動向調査』
義親は子どもたちが幼稚園のお迎えのバスに乗ると、自分たちの住まいに向かうのではなく、そのまま香織さん宅へ。そのまま一緒に過ごし、子どもたちが幼稚園から帰ってくると、そのまま香織さん宅で遊びます。夕食も基本的に一緒です。夕食後、ゆっくりとくつろぎ、子どもたちが寝る準備を始めるころ、隣宅へ帰宅。お風呂と就寝だけは自分たちの住まいで、あとは香織さん宅……最初の数週間で、このパターンが習慣化してしまったのです。
土日くらいは家族だけで、と思いましたが、休みだろうと関係なし。「これなら、同居しているのと同じじゃない!」と夫に愚痴をこぼすも、「同じ屋根の下、ぎくしゃくするのは嫌だろう」といい、解決する気がありません。そもそも家族のなかで、今の生活スタイルに不満を募らせているのは香織さんしかおらず、分が悪いのは明らか。
――物理的に独立していると思っていたのに、お互いのことが丸わかり。これは自然な形の過干渉ですよ……義母の誘いに乗らなきゃよかった。私の考えが甘かったです
二世帯住宅での暮らしを今さら解消などできるはずはなく。香織さん、ただストレスのたまる日々に耐えるしかないと悲嘆に暮れています。
[参考資料]