40代半ばで結婚し子供を授かった佐藤さん、幸せいっぱいだったが……

佐藤正人さん(仮名・65歳)は元会社員です。地方の小さなメーカーの営業職として勤務し、22歳で大学を卒業して以後65歳までずっと働いてきました。

30代の頃、周りが続々結婚していく中、女性と縁の薄かった佐藤さんは半分結婚を諦めていました。しかし、40代になり体力の衰えを感じ始めると、将来一人でいることの孤独を想像するように。

そこで、強く結婚を意識するようになり、お見合いパーティーで出会った12歳年下の妻と45歳で結婚することになりました。

そして、その2年後、佐藤さんが47歳の時に待望の長男を授かりました。長男の成長を見守りながら家族3人で穏やかな生活を送ってきましたが、それから18年後、佐藤さんは大学へ進学する長男の教育費の問題に直面したのでした。

ひとり息子の大学の進学資金がない…「こんなことになって申し訳ない」

長男が高校3年生になり、いよいよ進路を決めなければならない年齢に。しかし、佐藤さんはそれまでほとんど貯蓄ができていなかったことに苦悩していました。

妻は出産を機にパート勤務になり、収入は年間100万円程度。佐藤さんの年収は退職前で650万円程度ありました。子供が一人だけで世帯年収が最大750万円あったのなら、本来であれば十分に貯蓄できる余裕があったはずです。

しかし、佐藤さん夫婦は将来のことを考えず、レジャーに趣味に買い物にと、家族や自分たちの楽しみのために惜しげもなくお金を使っていたため、一番貯められる時にほとんど貯蓄ができていなかったのです。

現在は、佐藤さんの月額18万円の年金収入に加え、アルバイトの収入が月15万円程度。妻のパート収入は8万円程度で、合計すると世帯月収は41万円。目の前の生活に困ることはないものの、住宅ローンや車のローン、生活費などで、貯金できる金額はわずかです。

そんな状態だったので、長男には「大学に行くならば地元の国立大へ」と話をしていましたが、長男の希望は県外の私立大学へ進学し、専門分野を学ぶことでした。