晩婚化が進む日本。初婚でなくても、再婚して40代でお子さんを持つという人も多いことでしょう。実は、遅くにお子さんを持った人が特に注意すべきお金の問題があります。今回は、40代で結婚し、定年・年金生活に突入したタイミングで大きな問題に直面した佐藤さんの事例をもとに、小川洋平FPが詳しく解説します。

こんな親ですまない…年金18万円・65歳元会社員が我が子に陳謝。遅く訪れた春から18年後、親子で借金を背負い、返済のために老後も働き続けることになったワケ【CFPの助言】
年齢を重ねて子どもを持つことの課題と必要な準備
年齢を重ねて子供を持つと、佐藤さんのようにリタイアと子どもの進学が同時に来ることも少なくありません。
自宅外から私立の4年制大学に通った場合には総額で1,000万円以上にもなることも多く、さらに老後の資金も65歳で定年退職した場合では2,000万円程度必要という試算もありますので、どちらも計画的に準備したり、定年退職後も収入を維持したりするなど資金計画を考えておく必要があります。
佐藤さんのようなケースでは、お子さんが生まれたばかりのころに学資保険などを利用したり、現在ではNISAのような制度もありますから、上手に活用しながら教育資金と老後の資金を準備しておく必要があったと言えます。
それぞれの家庭の考え方もありますので、進学資金や住居費を全額親が出してあげなければならないわけではありません。しかし、卒業後の子供に掛かる奨学金返済の負担や、入学金や入学時に掛かる諸費用を考慮すると、やはりある程度は親が準備してあげた方がよいでしょう。
また、今回の場合は妻と歳が離れていてまだ働ける年齢です。お子さんに手が掛からなくなったときにパート勤務ではなく正社員として働いていれば、老後の資金や進学資金に充てる収入を得ることもできたでしょう。
結婚したタイミングやお子さんが生まれたタイミングで現在の家計、将来の家計をシミュレーションし、問題点に早く気が付くことができれば、解決に向けて動くこともできますし様々な解決策も考えることができます。
晩婚化が進む今、早めに家計戦略を立てることが大切
今回は40代で結婚、子供を授かったものの、何の準備も無く進学とリタイアが同時になってしまった佐藤さんの事例をお伝えしました。
人生の三大資金と呼ばれるものとして、住宅資金、教育資金、老後の資金があり、そのうちの2つが無計画なうちに同時にやってきてしまったのが今回の事例です。
資産形成の計画、働き方や公的年金の繰り下げ、家計の見直しなど、将来の家計を見える化すると、これらの手段のうち何をどう組み合わせて活用するかを考えることができます。
晩婚化が進む昨今においては、早めに家計の戦略を考えることが特に重要になります。
小川 洋平
FP相談ねっと