晩婚化が進む日本。初婚でなくても、再婚して40代でお子さんを持つという人も多いことでしょう。実は、遅くにお子さんを持った人が特に注意すべきお金の問題があります。今回は、40代で結婚し、定年・年金生活に突入したタイミングで大きな問題に直面した佐藤さんの事例をもとに、小川洋平FPが詳しく解説します。

(※写真はイメージです/PIXTA)
こんな親ですまない…年金18万円・65歳元会社員が我が子に陳謝。遅く訪れた春から18年後、親子で借金を背負い、返済のために老後も働き続けることになったワケ【CFPの助言】
自分たち夫婦も子供も、借金を抱えて生きるはめに
何とか長男の希望を叶えたいと考えた佐藤さん夫婦。奨学金について調べたところ、入学前の申し込みは難しそうだったものの、在学中での申し込みは可能になりそうでした。
しかし、奨学金を受け取ることができるまでの間の授業料や入学金で、100万円程度を用立てる必要がありました。そのお金も手元にないという差し迫った状況だったのです。
佐藤さんは年金生活に入り収入が少なくなったことで、教育ローンを組むことができません。必要な100万円のうち50万円は仕方がなく一時的に消費者金融を利用し借り入れ、18%近くもの高い金利のローンを返済していくことに。
金利は高いものの、これだけであれば十分返済していける程度の金額です。しかし、佐藤さん夫婦は老後の資金も無く、子供は借りた奨学金を卒業後に毎月2万円程度、15年間に渡り返済していかなくてはなりません。
「なぜ、現役時代にちゃんとお金を貯めておかなかったのか……」
自分たちの無計画さが原因で、子供にまで借金を抱えさせることを申し訳なく思いながら、生活と借金返済のためにこれから先も長く働き続けることになったのでした。