(※写真はイメージです/PIXTA)

老後に必要となる資金について不安を感じる人が多いなか、資産を形成する方法として投資商品を用いた運用に注目が集まっています。ただ、投資商品にはさまざまなものがあり、それぞれが持つリスクなどをしっかりと理解しながら行う必要があります。今回は老後に必要な資金額や老後生活の実態について解説するとともに、老後資金の形成方法としておすすめのアパート経営について紹介します。

老後資金の形成方法としてアパート経営がおすすめの理由

アパート経営は不動産投資の一つですが、不動産はインフレに強い側面を持っています。

 

なぜなら、不動産は現物資産のため、インフレによってお金の価値が下がってもその資産価値は保たれるからです。

 

例えば、2017年に取り壊しとなった新宿区四谷の日本初の民間分譲マンションは、当時(1956年)の販売価格が約230万円でしたが、取り壊し前の取引価格は約2,480万円と10倍です。

 

2019年に建て替えとなりましたが、再取得価格2,000万円に対して、現在の参考相場価格は約1億1,000万円~約1億2,000万円となっております。

 

インフレに強い不動産を“保有すること自体”に大きな意味があると分かります。

 

また、アパート経営に関していえば、インフレに伴って家賃が上昇し、収益増加が期待できるといったメリットもあります。常に収入が入ってくるよう空室リスク対策を行っておく必要があるものの、安定した収入が年金以外に受け取れるなら安心でしょう。

 

更に1棟アパート経営には、土地が付いてきます。建物は償却資産ですので、経年劣化していき価値が下がってしまいますが、土地は永久的に使用し続けられる永久資産となりますので、価値が保たれます。

 

マンションや商業ビル用地は、高騰が止まらずバブル期に近い上昇を見せており、東京23区では新築マンションの平均価格が1億円を超えております。埼玉県・千葉県・神奈川県でも約5,500万円~約6,400万円です。

 

しかし、アパートを建築する住宅用地は、駅から少し離れた場所にあり、大手デベロッパーや外資が入ってくることも少ない為、マンションや商業ビル用地ほどの高騰はしていません。

 

アパート経営で得られるメリットはそれだけではありません。資産価値が下がりにくく、売却の際にも売却益を得られやすいなどさまざまなメリットがあります。

 

(アパート経営の一例)

40歳で新築アパートを購入し20年間ローンを支払い60歳で物件を売却した場合

 

購入金額:1億円 借入金利:2% 借入期間:35年 部屋数:6部屋

平均家賃:78,000円 年間家賃:5,616,000円 表面利回り:5.61%

敷地面積:100㎡ 建物面積:195㎡

 

毎月の支出

管理費5%:23,400円 清掃費:7,000円 共益費:21,000円

原状回復費:7,000円 ローン支払い:331,262円 計389,662円 年間:4,675,944円

 

その他の出費

消防点検:15,000円×2=30,000円 固定資産税:350,000円 計:380,000円

年間の出費合計=4,675,944円+380,000円=5,055,944円

年間の収入=5,616,000円-5,055,944円=560,056円

 

※所得税は支払金利により相殺される想定で試算

 

60歳の時の残債と売却利益について考えてみましょう。

 

40歳の残債 100,000,000円 収入合計:0円

 

45歳の残債 89,620,000円 収入合計:2,800,280円

 

50歳の残債 78,154,861円 収入合計:5,320,532円(家賃下落率5%で試算)

 

55歳の残債 65,482,048円 収入合計:7,812,781円(家賃下落率7%で試算)

 

60歳の残債 51,477,589円 収入合計:10,081,008円(家賃下落率10%で試算)

 

60歳時の残債は約51,477,589円になります。

 

20年間の収入合計は約10,081,008円になります。

 

このタイミングで中古アパートとして売却した場合ですが

 

売却金額60,000,000円の場合

売却益:8,522,411円の利益  収入合計:18,603,419円

 

売却金額65,000,000円の場合

売却益:13,522,411円の利益  収入合計:23,603,419円

 

売却金額70,000,000円の場合

売却益:18,522,411円の利益  収入合計:28,603,419円

 

売却金額75,000,000円の場合

売却益:23,522,411円の利益  収入合計:33,603,419円

 

売却金額80,000,000円の場合

売却益:28,522,411円の利益  収入合計:38,603,419円

 

売却金額はあくまでも予測になりますが、一番低い想定の60,000,000円の売却の場合でも約1,860万円の利益となります。

相続税の節税効果も

アパート経営には相続税を軽減させる効果があります。なぜなら、賃貸目的のアパートが建っている土地の評価額を最大80%下げることが可能だからです。子供たちへの資産継承として不動産のまま相続すれば現金で相続するよりも税率を低く抑えることもできるため、次の世代に資産を引き継ぐには不動産投資は最適な投資といえます。

 

アパート経営には専門家のサポートが必須です。特に不動産会社や管理会社は信用できる会社を選ぶようにしましょう。そのうえでアパート経営のメリットそしてデメリットと理解し、充分な計画を立てて実行に移すことをおすすめします。

 

参考:

 

家計調査報告書(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要

https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2023.pdf

 

生命保険文化センター「令和4年度生活保証に関する調査」

https://www.jili.or.jp/research/chousa/8944.html

 

厚生労働省「令和5年簡易生命表『「寿命中位数等生命表上の生存状況』」

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life23/dl/life23-03.pdf

 

明治安田

https://www.meijiyasuda.co.jp/dtf/lfm/money/articles36.html

 

不動産経済研究所

https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/614/ss2024.pdf?utm_source=chatgpt.com