低金利の変動金利で住宅ローンを組んだものの、近年の金利上昇で返済額が増加し、家計を圧迫されている人は少なくありません。変動金利の利用者は、金利上昇に対しどのような対処をすればよいのでしょうか? 本記事ではAさん夫妻の事例とともに、家計を守るための対処法について、CFPの伊藤貴徳氏が解説します。※プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更しています。
詰みました。「変動金利」を選んだ世帯年収900万円の40代夫婦「都内6,000万円のマイホーム」の灯が消えるまで…金利0.2%上昇で酷すぎる事態に【CFPの助言】 (※写真はイメージです/PIXTA)

金利上昇シミュレーションでリスクを可視化 

自身の住宅ローンについて、金利が上がったらどうなるか試算したことはありますか? 

 

 チェックポイント 

・現在借入中の金利を把握しているか? 

・仮に金利が0.2%・0.5%と上昇したら、月々の返済額がいくら増えるかを知っているか? 

・家計の支出がどこまで耐えられるかを計算したことがあるか? 

 

いまの支払い額だけを見ていると、将来のリスクに対応することができません。 まずは、 自身の住宅ローンの金利シミュレーションを行い、将来のリスクを可視化することが重要です。 

 

「確かにいまは低金利で、金利が安く借入れることができるけど、長いこと返済をしているとその金額が当たり前になってきて、まさか返済額が上昇するとは思いませんでした。借入当時、返済が増えるということは、そのほかの支出も増えるかもしれないということまで頭が回りませんでした」 

 

やはり余裕を持って借入をすることが大切ですね、とA夫妻は話します。 A夫妻も金利のシミュレーションを行い、今後のライフイベントを踏まえた我が家の収支バランスを確認することにしました。そのうえで固定費の削減や貯蓄の目標をたて、計画的にローン返済が進むように調整をしていくとのことです。 

 

〈参考〉 

住宅金融支援機構【住宅ローン利用者調査(2023年4月調査)】

https://www.jhf.go.jp/files/400366409.pdf

 

 

伊藤 貴徳

伊藤FPオフィス

代表