東京23区では新築マンションの価格が1億円超え。それでも2馬力ならと、以前は富の象徴だったタワーマンションを購入する“普通の夫婦”も珍しくありません。しかし、そんなタワマン暮らしを実現した夫婦からは予想外の出来事に悲鳴が相次いでいます。
愚かでした…月収42万円・39歳サラリーマン、タイパ重視で「9,000万円・都心タワマン」購入。通勤時間片道20分の好立地も、6年後、想定外のコスト増に悲鳴 (※写真はイメージです/PIXTA)

マイホーム購入で重視は「コスパ」…あえて駅チカタワマンの3階を選択

大手IT企業で働く岡本大輔さん(仮名・45歳)。家族4人、都心駅徒歩3分のタワマンに住んでいます。購入したのは6年前。30数階建ての3階、70平米ほどの3LDKで、購入時の価格は9,000万円ほど。

 

――別にタワマンに住みたかったわけではなく、とにかく駅から近く、通勤時間を短縮させたかった。都心であれば子どもの教育面でも何かと有利だと考えました

 

タイパ重視がモットーの岡本さん。当時、最も無駄な時間と考えていた通勤時間をとにかく短くすることが、マイホーム購入のひとつの着眼点。そこで目にしたのが、現在住んでいるタワマンだといいます。

 

【首都圏タワマン完成年次別棟数・戸数】

2016年:18棟/7,857戸

2017年:20棟/5,900戸

2018年:19棟/5,680戸

2019年:28棟/8,547戸

2020年:21棟/7,577戸

2021年:22棟/6,851戸

2022年:10棟/3,801戸

2023年:17棟/7,599戸

2024年:25棟/8,699戸

※出所:株式会社不動産経済研究所『超高層マンション動向 2024』

 

――ドアツードアで会社までは片道20分。徒歩10分圏内に複数駅があり、どこに行くにも便利です。3階だから階段で上り下りができる。エレベーターの渋滞みたいな、よくあるタワマンあるあるとは無関係です

 

頭金を1,500万円入れて、7,500万円を借り入れ。ペアローンで返済期間は35年、月々の返済は19万4,000円ほど。当時の岡本さんの月収は42万円、年収は700万円ほど。同じく正社員の奥さんは月収35万円、年収は550万円ほどだったといいます。

 

――当時の収入から考えると、ローン負担は決して軽くはなく、どちらかといえば重いほうだったと思います。それでも時間を無駄にすることを考えると、絶対によい買い物でした