
介護の合間に行く買い物が気晴らしだが…
東京・郊外で82歳になる夫・進さん(仮名)とふたり暮らしの太田和子さん(仮名・78歳)。毎日、近くのスーパーに買い物に行くのが気晴らしだといいますが、同時に、ため息が止まらないといいます。
――本当、米が高すぎる。何を食べて生きていけというのよ
【コメの「東京都区部小売価格」の推移】
2024年1月…2,283円
2024年2月…2,300円
2024年3月…2,306円
2024年4月…2,347円
2024年5月…2,403円
2024年6月…2,483円
2024年7月…2,602円
2024年8月…2,772円
2024年9月…3,152円
2024年10月…3,792円
2024年11月…3,843円
2024年12月…3,868円
2025年1月…4,051円
※出所:総務省統計局『小売物価統計調査』
※数値は、国内産/精米/単一原料米(産地/品種及び産年が同一のもの/袋入り5kg入り/コシヒカリを除く
年金は夫婦で月14万円ほど。もともと自営業だったこともあり、受け取れる年金のほとんどが老齢基礎年金です。
先月、令和7年度の年金支給額について発表がありましたが、老齢基礎年金の支給額は満額で月6万9,308円。物価や賃金の上昇に伴い、3年連続で引き上げとなりましたが、物価や賃金の伸びよりも低く抑える措置がとられ、引き上げ率は1.9%。実質的には目減りとなります。
この発表を受け、「目減りって、要は減額ということでしょ。年金が頼りなのに、どう生きていけというのよ」と、憤りを隠せない様子。
3年前までは夫婦で商売をしていたという和子さん。「お金もなかったし、働くしかなかったのよ」といいます。夫・進さんが認知症を発症したのを機に、仕事を辞めました。
――まさか、お父さん(=夫)が認知症になるなんて、思ってもみなかった