日本の大学進学率は50%を超えます。なぜ進学を望むのか、理由はそれぞれですが、将来を見据えて「“よい会社”に就職したいから」という人も多いでしょう。偏差値の高い大学ほど、“よい会社”に就職できる可能性が高まり、その後も出世街道が開けています。しかし、一流大学を卒業しているからといって誰もがエリートコースを歩めるとは限らないようです。
一流大学を卒業しているのに残念な人だな…社内で「学歴の無駄使い」と揶揄される、45歳・モンスター社員「衝撃の給与額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

学閥に所属していながら「出世しない」40代社員

果たして順調に出世していけるのか……小川さん自身は「難しいと思う」と悲観的。

 

――どこの会社でもそうかもしれませんが、社内には学閥があって。上の人たちは超一流の大学卒の人ばかり。私はそこから外れているので……よくて課長になれるかどうか、ですね

 

株式会社識学が2023年に行った社内の派閥に関する調査によると、社内に派閥がある会社は全体の22.2%。さらに「その派閥に属している」と回答した人は全体の5.4%でした。また「どのような派閥が存在しているのか」を聞いたところ、最も多かったのが「学閥」で48.0%。「所属する部や課」が44.3%、「入社年(年代が近い)」が38.7%、「出身地」が29.3%、「気の合う人同士の繋がり」29.0%と続きます。

 

なかなか厳しい小川さんの出世の道。そんななか、「学閥に属していれば課長以上にはなれるが絶対ではない」といいます。

 

――社内で幅を利かせている大学の出身の人がいるんですが、確か45歳でまだ役が付いていないとか

 

話題にあがった男性の出身大学は偏差値72。私大のトップに君臨し、そのなかでも看板学部を卒業しているといいます。40代の後半であればほとんどが課長職になっている……しかし、その男性社員は入社以来、一度も役付きになったことがない(らしい)のです。社内では「一流大学卒なのに残念な人」「学歴の無駄遣い」などとヒドイいわれよう。

 

――ヒドイですよね。でも一緒に仕事をしたことのある人は、「もう2度と一緒には仕事をしない」といっていて。相当、仕事ができないらしいです

 

その男性社員、とにかくパフォーマンスが低く、またミスも多く、仕事が雑。さらに他の社員とのコミュニケーションがうまくいかず、チームワークを乱す行動が目立つのだとか。また指導や注意を受けても改善が見られず、会社が求める業務レベルに達する意欲がみられない……いわゆるモンスター社員だといいます。

 

普通に出世して課長にでもなっていれば、月収は60万円、年収は1,000万円を超えているはずだといいます。一方でそのモンスター社員の給与額は、「風の噂ですが、月収で40万円、年収で600万円くらいだとか」。同じ大学出身ながら、大きすぎる格差。しかし小川さんの評価は異なります。

 

――40代後半とはいえ、仕事ができないといわれながら40万円ももらっているんですよ。出世はしていないけれど、給与はあがっている……我ながら、大企業はスゴイですね

 

昨今は成果主義へとシフトしつつあるものの、まだ年功序列が色濃く残る日本企業。また解雇しづらいという現状もあり、学歴問わず“ただ在籍しているだけ”という社員がいるケースも珍しくありません。そんな社員としても「一流大学を卒業しているのに……」と後ろ指を指されたとしても、残り続ける価値はあるようです。

 

[参考資料]

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』

株式会社『現役世代が出世に興味を持たない理由とは?』

株式会社『職場の派閥に関する調査レポート』