
息子のアドバイスを受けて、総額300万円の大幅リフォーム
東北出身の中島大輔さん(仮名・44歳)。大学入学とともに上京し、すでに東京暮らしのほうが長くなっています。
――郊外ではありますが、実家は県で一番大きな街にあるので、自分では都会育ちのつもりでしたが……久々に帰省すると、毎回驚いてしまいますよね、「こんなに田舎だったんだ」と。過疎も進んでいるみたいですし、年々、寂しくなっていきますよ
そんな実家には72歳の父と、今年、古希を迎える母の二人暮らし。やはり高齢の親を残していることに、子どもとしては心配が募ります。
――心配を口にすると「年寄り扱いするな」と怒られます。親としては、子どもに心配されるなんて嫌なんでしょうね
これまで最も親の怒りを買ったのは、「お金、大丈夫?」という心配を口にしたときのこと。父の年金は月に15万円ほど。一方で母親は年金をまだ受け取っておらず、スーパーでパートし、月5万円ほどの収入を得ていました。
――「別にお金がないわけじゃない!」とかなり怒っていましたね(笑)
しかし、少しは子どもの意見にも耳を傾ける気はあるらしく、大輔さんのアドバイスを受けて数年前には自宅を大幅にリフォーム。バリアフリー化して、高齢でも快適に、安全に住めるようにしたといいます。
【バリアフリーリフォームの例と費用の目安】
■手すりの設置
階段や廊下、トイレなどに手すりを設置。費用は1万~5万円程度が一般的ですが、場合によっては下地の補強が必要になることも。
■段差の解消
玄関や室内の段差をスロープで解消。費用は2,000~20万円程度かかります。特に大きな段差の場合、スロープの設置や床の高さ調整が必要です。
■滑りにくい床材への変更
浴室やトイレ、玄関などの水回りの床材を滑りにくいものに変更。転倒リスクを減少させます。費用は10万~20万円程度。
■ドアの変更
開き戸を引き戸に変更。たとえ車いすが必要になっても、容易に通行できるように。費用は12万~20万円程度。
■水回り設備の取り替え
浴槽やトイレをバリアフリー対応のものに交換。設備によって5,000~数百万円程度の幅があります。
大輔さんの実家のリフォームは総額300万円を超え。ほんの少しではあったものの、大輔さんも金銭的なサポートをしたといいます。