
52歳男性・80歳の母が亡くなり、初めての喪主
石川哲也さん(仮名・52歳)。80歳になる母親が亡くなりました。母子世帯の一人っ子だったという石川さん。近い身内を看取ったのは初めてのこと。初めてのことばかりでどうしたらいいのかわかりませんでしたが、病院が葬儀社を教えてくれて連絡。病院での安置は通常1時間程度とされ、「ずいぶんとせかされるなあ」という印象。
あれよこれよといううちに準備は整い、母の遺体は自宅へ。自宅では祭壇が設置され、まるでベルトコンベアに乗せられているかのように、葬儀社との打合せがスタートします。
株式会社エス・エム・エスが60歳以上の親を持つ男女を対象に行った『「親の終活に関する意識調査(2024年』によると、「親と生前話しておきたいこと」のトップは「介護の希望」で37.2%。続いて「葬儀」で35.9%、「延命治療」で34.1%と続きます。一方で「親の終活についての会話状況」については、「すでに十分に話せている」はわずか8.9%。一方で「話したこともないし、今後も話すつもりはない」が29.%と3割弱を占めます。
やはり元気で生きているうちに「病気になったらどうする?」「介護が必要になったら?」「死んだら?」などとは、話を切り出しにくいもの。しかしそうやって聞いておかないと、万一のときに困ったことになります。石川さんの場合も、万一のときのことをきちんと話しておらず、「母ちゃん、どうしてほしかったんだろう……」と考え込む始末だったといいます。
それでも、いつまでも決めないわけにはいきません。何よりも気になるのは葬儀費用。初めてのことで、いくらかかるものなのか、見当すらつきません。ただ「母ちゃん、派手なことは嫌いだったから、地味な葬儀のほうがいいんじゃないかな」と思い立った石川さん。そこで、最近テレビCMで目にすることも多い「家族葬」にすることにしたといいます。