三為契約・業者の見分け方
以下からは、三為契約や三為業者を見分ける方法を解説します。いずれも専門的な知識が必要となるため、状況に応じて弁護士や司法書士などの専門家に依頼するのもおすすめです。
売買契約書の特記事項を確認する
三為契約の場合、契約書の中に特記事項として必ず三為契約である旨の記載があります。
例えば、「(不動産業者名)は、(売主)が代金を完済するまでの間に所有権の移転先を指定する。(売主)は(不動産業者名)が指定する者に、所有権を直接移転する。」といった内容です。
そのため、不動産取引の際には必ず契約内容を確認し、疑義や不安がある場合には弁護士や司法書士など専門家に確認してもらうことをおすすめします。
登記簿の所有権者を確認する
登記簿上に記載されている物件の所有者名を調べることで、三為業者かどうかを見極めることも可能です。
不動産業者が物件を仕入れて所有権を取得し、自社物件として販売する場合には、所有者名は不動産業者となっています。一方で三為契約の場合、三為業者は所有権を取得しないため、売主の名義のままとなっているのです。
不動産の登記簿は、一般社団法人民亊法務協会が運営する「登記情報提供サービス」から誰でもオンラインで閲覧することができます。
三為契約にはメリットも
三為契約は合法なものであり、「安く仕入れて高く売る」ことは商売の基本ともいえるもので、必ずしも悪いものではありません。
また、売主・買主の双方に以下のようなメリットがあるため、あえて三為契約を選んで取引する人もいます。

特にワンルームマンション投資など、比較的手持ち資金が少ない状況で行う不動産投資の場合、ローンの借入先が見つからなかったり、フルローン・オーバーローンを組めなかったりするような状況も多く起こります。
この点、三為業者の多くは金融機関と提携しており、「頭金なしフルローン」などのパッケージでローンを紹介してもらえるため、手持ち資金がなくても不動産投資にチャレンジしやすいというメリットが挙げられます。
また、言うまでもなくローンの契約内容や返済計画には十分な注意が必要ですが、三為業者から提携先の金融機関を紹介してもらうことで、個人で金融機関を開拓するよりも低い金利を利用出来る場合もあります。
本コラムで紹介したように、三為契約には特有のリスクやデメリットもあるため、特に不動産投資初心者など取引価格の相場観を掴めていない場合には、あまりおすすめできません。
三為契約を利用する場合には、メリットとデメリット・リスクを比較し、十分に注意して取引を行うようにしましょう。
