(※写真はイメージです/PIXTA)

S造(鉄骨造)で使用される鉄骨は、軽量でしなやかな性質を持っていますが、その性質ゆえにメリット・デメリットもあります。本コラムでは、S造の特徴、他の構造との比較、そして法定耐用年数や実際のS造の寿命について詳しく解説します。

S造(鉄骨造)の法定耐用年数は何年?

法定耐用年数とは、減価償却などの計算に用いることを目的として、国税庁により定められた耐用年数のことをいいます。

 

S造の法定耐用年数は、骨格材の強度やコストに違いがあるため、厚さに比例して耐用年数も長くなる特徴があります。軽量鉄骨造は住宅用で27年、事務所用で30年、重量鉄骨造は住宅用で34年、事務所用で38年になります。

 

他の構造でも比較してみると、W造は住宅用で20年~22年、事務所用で22年~24年になります。RC造は住宅用であれば法定耐用年数は47年、事務所用であれば50年と耐用年数が比較的長いです。また、SRC造の耐用年数はRC造と同様になります。

 

このような法定耐用年数は、金融機関が融資の可否や条件を判断する際にも重要な要素となるので、理解しておきましょう。

 

しかし、この法定耐用年数は建物の実際の寿命を示すものではありません。あくまでも税務上の計算に用いられる数値であり、適切なメンテナンスを行うことで、建物はこの年数を大きく経過しても使用することが可能です。

S造(鉄骨造)の寿命(物理的耐用年数)

S造の物理的な寿命は、一般的には50〜60年程度とされています。この寿命は、実際に建物が使用に耐える期間であり、構造体が劣化して使用不可能になるまでの期間です。ただし、この数値はあくまで目安であり、建物の寿命には様々な要因が影響します。

 

特に、立地条件や気候はS造の寿命に大きな影響を与えます。海沿いや湿度の高い地域では、鉄骨が錆びやすく、定期的なメンテナンスが不可欠です。錆びを防ぐための防錆処理を施し、適切な塗装や点検を行うことで、鉄骨の劣化を遅らせることができます。内陸部や乾燥地帯では、比較的錆のリスクが少ないため、長期間の使用が可能ですが、日常的な管理や点検は必要です。

 

また、鉄骨造の建物はその軽量な構造が特徴であり、地震や風に対する強度の向上には追加の工夫が必要です。耐震補強や免震技術を導入することで、寿命を延ばすことが可能です。

 

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