
20代で450万円貯金するには、どんな仕事を選ぶべき?
ここから、当時調べながら学んだことや、思考回路をそのまんま書いていきます。
Q:「20代で450万円の貯金」を達成する条件ってなんだろう?
「職種」で見ると、やっぱり「営業職」はあてはまりそうな気がする。他の職種でも給料が高い求人はあるけれど、専門性が高かったり、それなりの経験年数が必要だったりで、20代の今すぐに就くのは難しそうだ。
その点、営業だったら、20代とか未経験でも応募できる求人はかなり多いな。会社の売上に直結する仕事なだけあって、ちゃんと売上を作れたらその分のインセンティブ(成果報酬)がある会社も多いみたいだし。あれ? でも、今の会社は年功序列でインセンティブなんてないじゃん。これじゃ、20代、もとい残り6年くらいで450万円貯めるには工夫が必要かなぁ。
うーん、ってことは「評価制度」や「社風」も見るべきかもしれない。たとえば、年功序列の逆で若手が活躍しやすい「成果主義」とか、「20代でも昇給できた実績がある」とか。調べてみると「スキルアップのための研修や福利厚生」なども会社によってだいぶ違うみたいでした。
ふむふむ、ベンチャーやスタートアップなど若手が多い職場はこういう傾向なんだ。わたしが今働いている会社だと、ほぼ研修なしで完全にOJT(やりながら学ぶ)だけだけど、そうじゃない環境も世の中にはたくさんあるんだな……知らなかった。
よし、あとは「業界」か……と求人サイトを漁っていると、そこには驚きの事実が。業界によって給与水準ってかなり違うじゃん!ということ。ってこれ、わたしは恥ずかしながらこのタイミングで初めて知りました。
ただただ内定がないことに焦っていた新卒就活のときは、せいぜい目先の「初任給」の数字くらいしか見ていなかったんですよね。でも確かに、実際にお酒業界で働き出して初めて、「お酒の利益って、こんなに低いの?」とものすごく驚いたんです。仮にスーパーに並ぶようなお手頃価格のお酒を頑張って売っても、1本の利益は数十円、よくて数百円ほど。
メーカーからの仕入れコストに加え、自社の事務・営業・物流のコストを考えるともう雀の涙ほどの利益しか残らないことは、当時の無知なわたしにすらわかりました。一方、製造に上限のない「無形商品」を扱う業界の給与水準が高いことを発見。たとえば、オンライン完結のWEBサービスやアプリなどは、“もの”に比べて材料の仕入れや物流の原価がかからない上に、販売できる数の上限もない。だから、利益が膨らみやすい構造なんですよね。
そうすると、たとえお酒業界と新卒の初任給は同じくらいだったとしても、2年目、3年目と年次が上がるにつれて、めちゃくちゃ年収の差が開いていきやすい。20代で稼ぐことに重きを置くなら、業界は今とは変えたほうがよさそうです。
こんなふうに「職種」「制度」「社風」「業界」などを具体的に考えていくと、つくづく「過去の自分の選択」がいかに他人に流されてきただけだったのかを思い知らされました。これまで一度も「自分が働く目的」や「自分の目的に合った環境かどうか」をちゃんと考えないまま会社に入って、毎日働いていたという現実。そんなことにクラクラしつつも、少しずつ「わたしが就くべき仕事」の輪郭がくっきりしていくことに対して、うれしく思っていました。
〈20代で450万円貯金できそうな仕事の条件まとめ〉
・インセンティブありの営業職
・成果主義で若手も稼ぎやすい社風
・IT系など無形商品を扱う業界
土谷 愛
mideal inc.
代表取締役社長