
親の介護でふと気づく…「親の言われるがままに生きてきた」
現在、小林さんは両親との実家暮らし。ここにも母親の意向が反映されています。
――母は「あなたは自分ひとりで生活なんてできない。私が面倒をみてあげるから、ずっとここ(実家)にいなさい」と。就職したら家を出るものだと思っていましたが、せっかく母が言ってくれることだからと、実家暮らしを続けています
基本的に母親の嫌がることはしたくない……それが小林さんの生き方でした。母親の存在が大きすぎるからか、これまでお付き合いした人もいないといいます。
――中学から男子校ですし、大学もまわりは男子ばかりで。就職してからも、部署では男性が圧倒的に多かったですね。今は部下がいて女性と話す機会もありますが……手汗がスゴイです(笑)
【20代~40代の男性に聞きました】
Q.あなたは女性との会話に対して苦手意識を感じていますか?
・とても苦手…21.9%
・やや苦手…37.3%
・あまり苦手ではない…28.0%
・まったく苦手ではない…12.8%
Q.女生徒の会話に苦手意識を感じる理由は?
・女性と話す経験が少なく緊張するため…43.3%
・自分に自信がないため…43.0%
・男女問わず会話自体が苦手なため…42.4%
・女性特有の感情や考えを理解するのが難しいと感じるため…34.6%
・相手にどう思われているか気にしすぎてしまうため…31.8%
出所:株式会社Bright Management『「女性との会話への苦手意識に関する調査』
そんな小林さんですが、最近、80歳になる父親が要介護2の認定を受けました。その介護は78歳の母親が中心となって行っていますが、小林さん自身もいろいろとサポートすることも多く、仕事と介護を両立する日々を送っています。そんなとき、これまでの人生が母親の言われるがままだったことを、いまさらながら痛感したといいます。
――母が「あなたがいてくれてよかった」と。これだけであればよかったのですが「結婚していたら、そうはいかないものね」といわれて。ふと「これまでの人生、母にコントロールされ、自分の意志なんてなかったな」と強く感じたんです
47歳。世間ではいい大人です。しかし、子どもの親離れも、親の子離れもできていない……そのことに初めて気づかされたといいます。
父親の介護はいずれ終わる。そのあと母親の介護。すべて終わったときには、自分が高齢者。年金を受け取りながら、ひとり寂しく生きていく……そんな老後がくっきりとイメージされ、急に怖くなったといいます。
小林さん、これまでの人生、羨望の眼差しを送られることが多くありましたが、どこか他人事でした。それは、これまで主体的に生きてきたことがないから、というのが、最近の小林さんの自己分析だといいます。親亡き後の人生を考え、ぼんやりと婚活が頭をよぎる今日このごろ。
――今さら婚活といっても遅いでしょうか。それよりも母が許してくれるか……
母親の言いなりになってきた人生を大後悔しつつ、それでも母親を意識せざるを得ない小林さん。これから先、親離れ・子離れを実現するのは難しそうです。
[参考資料]