人生終わったな…落胆する父に娘たちが「老人ホーム」を提案
50年近く連れ添った妻・茂子さんを亡くした、木下功さん(仮名・75歳)。勤めていた会社の先輩・後輩の関係でしたが、食という共通の趣味により交際に発展。結婚したといいます。
――ふたりとも、料理をつくるのも食べるのも好きでね。休日には評判になっているお店に出かけるというのがお決まりのパターンでしたね
茂子さんのほうが3つ年下ということもあり、「先に逝くのは自分」だと思っていたという功さん。それだけに、妻を亡くしたショックはとてつもなく大きなものでした。
趣味友である妻を亡くし、すっかり引きごもりがちになった功さん。さらに悲劇を襲います。自宅のふろ場で転倒し、大腿骨を骨折。この怪我を機に、手すりなしには歩くこともままならず、車イスが基本の生活になったのです。
――もう人生も終わったな……
ますますふさぎ込んでしまう父に、娘たちがひとつの提案をしてきました。「お父さん、こんなところがあるよ」と、ある日の新聞広告を持ってきたのです。それは老人ホームの広告。
――老人ホームだと、失礼な!
老人ホームは親を捨てるところ……そんな昭和の感覚が残っている功さん。思わず大きな声を出してしまったといいますが、よく見てみると、娘たちの意図がわかってきました。広告でうたわれているのは、料理の美味しさ。どうやら、「一流ホテルで活躍したシェフが監修する料理」が自慢の老人ホーム。魅力的なキーワードに、功さんの興味も一気に高まったといいます。
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