少子化が進む一方で、大学への進学率は過去最高の記録を更新。これからは大学全入時代といわれています。しかし大学に進学するにはタダとはいきません。経済的に苦しいのであれば奨学金を利用して、という考えもありますが、そこまでして大学に行く必要があるのでしょうか。
人生100年時代なんて…笑える。70歳で完全引退の元サラリーマン、「年金月29万円」に増額も笑顔は一切なし、「年金の繰下げ」を後悔するしかない理由 ※写真はイメージです/PIXTA

日本人の平均寿命は40年で男女ともに大きく延びたが

――私が社会人になった1980年代の初めごろ、日本人男性の平均寿命は73歳だったんですよ。それが今は80歳を超えるでしょ。100歳まで見据えておいたほうが安心かなと思ったんですよね……

 

【平均寿命の推移】

1980年:男性73.35歳、女性78.76歳

1990年:男性76.03歳、女性82.07歳

2000年:男性77.72歳、女性84.60歳

2010年:男性79.64歳、女性86.39歳

2020年:男性81.56年、女性87.71年

2023年:男性81.09歳、女性87.14歳

 

田中さんが年金の受け取りを開始したのは、70歳のとき。年金の繰下げによる増額と、65歳以降の厚生年金加入により年金は月29万円ほどに。5年働き、年金の受け取りをのばしたことで、月受取額は10万円ほどアップしました。しかし、田中さんに笑顔は一切なし。

 

――妻は2つ年下なんですが、病気になって。がん、大腸がんでした。結構、進行していて、どうなることか

 

仕事を辞めたら、夫婦でゆっくり暮らす……そう考えていたという田中さん。年金も増え、お金の不安はほとんどない。しかし「健康でなければどんなにお金があったところで意味がない」と、何事も慎重に慎重を重ねてきた自身の選択を後悔しています。

 

――妻も「あなたが仕事を辞めるまでは」と、私を支えてくれていた。こんなことなら定年で仕事を辞めて、毎日を楽しんでおけばよかった。人生100年時代なんて……それで人生を台無しにするなんて、本当、笑えますね

 

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[参考資料]

厚生労働省『高年齢者雇用実態調査』

日本年金機構『年金の繰下げ受給』

厚生労働省『簡易生命表の概況』