(※写真はイメージです/PIXTA)
条件つきの愛情
成績や試合の結果について親が子どもをほめるとき、成果に注目してほめる場合とがんばりに注目してほめる場合とでは、子どもに与える影響は異なります。成果ばかりに注目してほめると、本人は「素の自分」ではなく「出した結果」だけがほめられたように感じてしまいます。本人にとって、成果はあくまで自分の外側。成果が出たことだけをほめられると、まるで「きれいなコスメだね」と言われているように感じ、素の自分がほめられているとは感じられません。
親の側は一生懸命愛情を注いだつもりでも、子の側は「愛情をかけてもらってはいたが、条件つきの愛情だった」「素の自分を愛してはもらえなかった」という思いを抱き続けることになるのです。成績がよくてもわるくても、試合で勝っても負けても、親がつねに「がんばったね」とプロセスを見てくれていたら、無条件の愛情を感じられ、素のままの自分に生きる価値があると思えたのかもしれません。
「がんばれないときもほめるんですか?」
「がんばらなくてもほめてあげてください」と伝えたら「がんばらなくてもほめるんですか」と聞き返したお母さんがいました。人にはがんばれないときもあります。そんなときは「生きているだけでじゅうぶん」と、ほめてあげてください。がんばれないときも「それでいいのよ」とハグすることで、子どもは親との絆を深めて安心できるのです。
養育者側にこんなことはなかっただろうか?
・学業成績やスポーツ競技の結果が良いときだけはほめるが、あなたの努力のプロセスや個性は見なかった。
・髪型やファッションなどは親が決め、そこからずれると怒られた。
・あなたの進路や職業はすべて親が選んできた。
・習いごとはすべて親が決め、成果が出たときしかほめなかった。
・礼儀正しいふるまいをしたときだけ、あなたをかわいがった。
・家事をしないと、無視された。
・親が気に入った子と遊ぶように勧め、あなたがそれ以外の子と遊ぶと不機嫌になった。
・あなたの絵や書、作文など、クオリティが高いときだけ評価し、創造すること自体はほめなかった。