日常生活で接客を受けた際、予想外の気遣いをしてもらえると嬉しいですよね。決して過剰な気遣いである必要はなく、ささやかながらも顧客満足度を上げる方法はたくさんあります。本記事では、元ANAのCAで人材教育講師の三上ナナエ氏の著書『一生使える「接客サービス」の教科書』(大和出版)より、三上氏が実際に心動かされた接客の例を紹介します。
4人でランチ、まとめて会計をすると…できる店員の「お釣り」に驚愕【元ANAのCAが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

間違いない提案

友人とホテルでアフタヌーンティーをしていると、「ご一緒にお写真をお撮りしますね!」とスタッフが申し出てくれた。アフタヌーンティーでは可愛らしい様々な種類のお菓子がたくさんのったタワーが提供され、それを含めて写真に収めたくなる見栄え。おしゃべりに夢中になって、友人と一緒に撮ってもらうタイミングを逃してしまいがちなので、声をかけてもらえるのは、実はとても有難い対応だと感じた。

 

タクシー運転手さんとの談笑

タクシーに乗った際、運転手の方に「外国のお客様は多いですか?」と質問したところ、「多くいらっしゃいますね。私は日本語以外の挨拶10ヶ国語以上覚えたんですよ。その国の言葉で挨拶をするととっても喜ばれるんですよ」といろんな挨拶も教えてくれ盛り上がった。

 

「旅行の行程をすべて楽しんでほしい!」という気持ちが伝わる

泊まった旅館で「近くにある〇〇神社で行われる舞を見に行くんです」と伝えると「あそこは床に直に座るので脚が痛くなるから、旅館の座布団を持っていってください」と声をかけてくれた。おかげで舞に集中できて、より思い出に残った。

 

サービスを受けた後も余韻が残る

観光地によくある人力車に乗ってみた。わかりやすい案内と気の利いた声かけに感激。翌日の朝早くホテルの周りを散歩していると、街中を人力車の方々がゴミを拾ったりお掃除をされている姿が。まだ観光客が誰もいない時間帯。人力車に乗るのは贅沢かな?と乗る時は少し迷ったが、「本当に乗ってよかった!」と再度思わされた。

 

お客様の過程にも心を寄せる

スーパーでお会計の際、にんじんが何本か入った袋の外側に、汚れがついているのをレジの方が気づき、丁寧に拭いてくれた(汚れは、お肉に付属の客器からタレが漏れたもの)。拭きながら、「違う袋詰めのにんじんをすぐお持ちすることもできますが、お客様が吟味して選ばれたお野菜だと思うので」と声をかけてくれた。忙しいレジ対応の中でも、私が選んだ姿を想像してくれたのが伝わった。

 

 

三上 ナナエ

元CA・人材教育講師