基本中の基本「挨拶」がなぜ重要か
近所に、15年以上行列の途絶えないラーメン屋があります。そのラーメン屋はもちろん味は美味しいのですが、その繁盛の秘密は美味しさだけではないということが訪れるとわかります。まず一歩店内に入ると、一人ひとりへの気持ちのこもった挨拶が響き渡るのです。厨房のスタッフも横目で挨拶するのではなく、しっかり体をこちらに向けて満面の笑みで挨拶をしてくれます。私も初めて行った時に、別に接客の良さをあらかじめ期待して行ったわけではありませんが、思わず感動してしまいました。お店の人の繁盛にあぐらをかかない謙虚な気持ちが伝わり、とても清々しい空気が流れていました。
ある車のディーラーでは、お客様がお帰りになる車をお見送りする際、見えなくなるまでお辞儀をしています。車を運転しているお客様にはその姿は見えていないかもしれませんが、そんな姿を通りがかりの人や近所の人が見て、「誠実なお店だ」「大きな買い物である車は、こんな人たちがいるところで買いたい」とお店にやってくる人がいたそうです。
言葉以上に大切な「挨拶に込められた思い」
この2つのエピソードから、あなたは何を感じるでしょうか? 「挨拶は大切」です。それは接客をやっている方なら、基本中の基本だと思うことですよね。「こういう時にはこういう挨拶を」としっかりマニュアルが用意されているところもあると思います。挨拶をすること、その型というのは確かに大切です。
ただ、「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」などの接客用語は一日に何十回と繰り返すため、ともするとただのかけ声になっている場合もあります。感情がこもっていないと、お客様もただのかけ声として認識するでしょう。