語尾を変えたり、質問の選択肢を増やし言い回しを変えたり、ちょっとした言葉遣いの違いで、お客様が受ける印象は大きく変わるようです。本記事では、元ANAのCAで人材教育講師の三上ナナエ氏の著書『一生使える「接客サービス」の教科書』(大和出版)より、接客における言葉遣いについて解説します。
中学生のお客様に友達言葉→「普通の言葉遣いで話してください」…親しみを込めた接客の壁【元ANAのCAが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

たったひと言で反応がガラリと変わる

「神は細部に宿る」と言いますが、ちょっとした言葉遣いの違いで、相手の反応は大きく変わります。そんなちょっとした“言葉遣いのコツ”を取り上げてみたいと思います。

 

余計な言葉は足さない

「~させていただきます」という言葉を連発するのをよく聞きます。丁寧な言い方ではありますが、相手に対して必要以上にへりくだったり、自信がない時に、連発しやすい言葉でもあります。続くと、まどろっこしい印象を与えてしまうので注意しましょう。

 

例) お客様の担当になった時

「担当させていただきます〇〇です。△△のご説明をさせていただきます」

「担当の〇〇です。△△のご説明をいたします

 

このようにスッキリとした表現は、お客様を余計な時間でお待たせしないことにもつながります。

 

主語をしっかり言う

意外と、話し始めに主語をつけるのを忘れがちです。お客様からの質問に対して、「大丈夫です」「結構です」という言葉だけで済ませてしまうと、お客様の受け取り方とズレてしまう可能性もあります。何が大丈夫なのか、主語をしっかりお伝えしましょう。

 

「〇〇のお持込は大丈夫です」

~の際はご連絡をくださらなくても結構です」

 

時には踏み込んで、言い切る

「~しましょうか」とお伺いを立てることも、場面によっては必要です。けれども、問われたお客様は本当はそうしてほしかったとしても、遠慮されたり、申し訳ないなと思ったりして、断る場合がよくあります。

 

そんな時は「~(いた)します」と言い切った方が、お客様も遠慮なく受け取れるものです。

 

「何かお手伝いしましょうか」→「お手伝いいたします

「ご案内しましょうか」→「ご案内いたします

「お鞄、お持ちしましょうか」→「お鞄、お持ちします

 

「思います」は自信がなく聞こえる

「思います」は、個人的な意見を述べる時に使う言葉です。でもあまり使い過ぎると、自信なさげに映ったり、時には不信感を与えてしまう場合もあります。自分の考えに確信が持てない時、ダイレクトに伝えるのが恥ずかしい時などについ使いがちです。確かに内容によっては裏づけも必要ですが、そのひと手間をかけ、断言することでより信頼を寄せていただけます。

 

例) お客様の服を褒める時

「素敵だと思います」

「素敵です

 

例) お客様に商品を勧める時

「こちらはコストパフォーマンスが高いと思います」

「こちらはコストパフォーマンスが高いです

(比較のために、目の前で計算してさしあげるとなおGOOD)

 

例) お客様から質問をされた時

お客様「〇〇は予約しなくても大丈夫ですか?」

担当者「大丈夫だと思います」

お客様「〇〇は予約しなくても大丈夫ですか?」

担当者「確約はできないので、予約していただくのが確実です