時代とともに家族の形態は異なり、いまやサザエさんに出てくるような3世代が同居する世帯は珍しくなりました。代わって増えたのが高齢者のひとり暮らし。実に10世帯に1世帯は高齢者のひとり暮らしといわれています。高齢者のひとり暮らしは心配ごとがいろいろ。知らず知らずに犯罪に巻き込まれている……そんなことも。
目を覚ませ!「年金15万円・1人暮らしの68歳母」がお人よし。「困っているのに、ほっとけない」と友人の依頼で保険に加入も、生活苦に転落の本末転倒 ※写真はイメージです/PIXTA

特殊詐欺被害、約2万人…8割弱が65歳以上の高齢者

以前もネットワークビジネスで、効くのか効かないのかわからないような健康食品を買っていたという美恵子さん。定期購入を申し込んでいたので、このときも大輔さんが解約の手続きをしたのだとか。

 

――いつか詐欺事件に巻き込まれるかもしれない……そんな不安でいっぱいです

 

報道を耳にすることも多い詐欺事件。その被害者で多いのが高齢者。警察庁『特殊詐欺認知・検挙状況等について』によると、2023年、特殊詐欺の認知件数は1万9,038件、被害総額は452億5,643万円。そのうち65歳以上が占める割合は78.4%でした。さらに細かくみていくと、オレオレ詐欺や預貯金詐欺、キャッシュカード詐欺は被害者がほぼ高齢者だけです。

 

【特殊詐欺の認知件数/被害総額】

▼特殊詐欺全体:19,038人/452億5,643万6,710円/78.4%

・オレオレ詐欺:3,955人/133億4,813万4,110円/94.3%

・預貯金詐欺:2,754人/38億4,636万4,500円/98.7%

・架空料金請求詐欺:5,198人/140億3,859万8,000円/55.0%

・還付金詐欺:4,185人/51億3,151万1,000円/77.3%

・キャッシュカード詐欺:2,217人/29億8,170万4,100円/99.2%

数値左より、認知件数/実質的な被害総額/被害者のうち65歳以上が占める割合

 

警察庁では、特殊詐欺被害は「詐欺の犯人は人を騙すための電話を重ねており、注意するだけでは対抗できない」といい、対策におけるポイントとして「犯人と話をしない」「犯人から電話がかかってこないようにする」を挙げています。さらに具体的な対策として「固定電話の番号表示・非通知拒否サービスの利用「外国からの電話の利用休止」「防犯機能付き電話の導入」を勧めています。

 

――どんなに対策をしても、うちの母は不安。私が通帳管理をするなど、根本的なことをしないといけないと考えています

 

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[参考資料]

警察庁『特殊詐欺認知・検挙状況等について』

警察庁ホームページ『特殊詐欺対策ページ』