国連の資料によると、2080年には世界の5人に1人(約20%)が65歳以上の高齢者になると予測されています。気候変動や食糧危機問題など、世界各国が協力し合わなくては解決できない問題も多い中、これからの時代は、みなが助け合わなければ世界が回って行かないとされています。そんな世の中で、「自分さえよければいい」という人は、社会から取り残されてしまうでしょう。本記事では、中内玲子氏の著書『シリコンバレー式 世界一の子育て』(フローラル出版)より一部を抜粋・再編集し、これからの時代の子育てで意識すべきことについて解説します。
10歳長男「将来はゲーマーになりたい」…3児をトリリンガルに育てた教育ママによる〈意外な返答〉

学歴や職歴、収入による幸せ

これからの子どもたちに欠かせないのは「才能を生かし、自分が本当にやりたいことをして、自分で幸せをつかむ力」です。有名校を卒業し、有名企業に就職して、経済的に不自由のない生活をしていても、それが人に決められた人生で、自分が何者かもわからないのなら幸せとは言えません。学歴や職歴、収入といった「他者評価の幸せ」は力を失いつつあります。

 

たしかなのは、他者評価ではなく自己評価です。私は高学歴・高収入を否定するわけではありません。ある大学に入ることでその子の夢が近づくなら、大学に合格することはその子の幸せを実現する入り口になるでしょう。けれど、プロのスポーツ選手になるなら、ほかのルートを選ぶべきです。

 

息子に「ゲーマーになりたい」と言われたら

私の子どもたちに将来の夢を聞くと、10歳の長男は「校長先生かゲーマー」、6歳の次男は「まだわからない」と答えます。息子に「ゲーマーになりたい」と言われて、正直、私も母親として、「ゲームがしたいだけなんじゃないの?」と手放しで賛成できない気持ちもあるにはあります。けれど、決してその夢を否定しません。子どもの才能を伸ばすのに、「これはいいけど、これはダメ」という親の勝手なルールは通用しないからです。

 

私は、否定をしない代わりに問いかけをします。「ゲームを仕事にするには、どうしたらいいと思う? どうやったら、自分や人を幸せにできると思う?」と、よりリアルにイメージできるように聞いています。

 

そうは言っても、子どもが小さいうちは、何が「自分らしい」のかは、子ども自身もわからないことが多いものです。子どもが「自分らしい幸せ」を見つけられるようにさまざまな体験をさせ、その子がいきいきとすることを見つけてあげるのが親の役割です。

 

くれぐれも、親が「これがいいよ」などと誘導しないことです。子どもは親が描いた理想通りには育ちませんし、むしろ、そのほうがいいのです。