将来への不安が尽きない現代だからこそ、子どもには確かな教育を受けさせ、世界で活躍できる人に育ってほしい。そう願う親たちから、モンテッソーリ教育は熱い支持を集めています。本記事では、中内玲子氏の著書『シリコンバレー式 世界一の子育て』(フローラル出版)より一部を抜粋・再編集し、モンテッソーリ教育について解説していきます。
140ヵ国以上で採用された「教えない」教育法…実施園に通う子どもたちの「驚愕の光景」

「モンテッソーリ教育」とは?

モンテッソーリ教育は、マーク・ザッカーバーグ(フェイスブックの共同創業者)、ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン(グーグルの共同創業者)、ジェフ・ベゾス(アマゾン創業者)、バラク・オバマ(元アメリカ大統領)など数多くのアメリカの著名人のほか、イギリス王室のウィリアム王子とヘンリー王子、日本では数々の最年少記録を持つプロ棋士の藤井聡太さんが幼少期に受けた教育法として知られています。

 

なりたち

モンテッソーリ教育は、イタリアの女性医師、マリア・モンテッソーリ(1870〜1952年)が考案した教育法です。モンテッソーリは、知的障がい児を観察する中で子どもが自ら発達する法則を見つけ、その経験をもとに1907年にローマの貧民街で未就学児のための施設「子どもの家」を開設しました。100年以上前に生まれたこの教育法は、世界各地で支持され、今では140以上の国にモンテッソーリ教育の実施園があると言われています。

 

教育の理念

モンテッソーリ教育では、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てること」を教育の目的としています。

 

子どもには自分で自分を育てる「自己教育力」があると考え、大人が子どもに一方的に「教える」のではなく、子どもが「自己教育力」を発揮して自ら学ぶための「環境を整える」ことを重視しています。そのために、大人は子どもの発達段階や関心のあることを正しく理解し、子どもが「やってみたい」と思う環境を用意するのです。