田舎の実家にひとり残された母…子はどうすることもできず
内閣府『令和6年版高齢社会白書』によると、2022年、65歳以上のいる高齢世帯は全世帯の約半数を占め、高齢世帯の32.1%が夫婦のみの世帯、31.8%がおひとり様世帯です。また経年でその推移を見ていくと、この30年あまりで、夫婦のみの高齢世帯は4倍弱、おひとり様の高齢世帯は5倍強になっています。
【高齢世帯「夫婦のみの世帯」と「おひとり様」の推移】
▼1990年
夫婦のみの高齢世帯…231.4万世帯(21.4%)
おひとり様の高齢世帯…161.3万世帯(14.9%)
▼2000年
夫婦のみの高齢世帯…423.4万世帯(27.1%)
おひとり様の高齢世帯…309.7万世帯(19.7%)
▼2010年
夫婦のみの高齢世帯…619.0万世帯(29.9%)
おひとり様の高齢世帯…501.8万世帯(24.2%)
▼2022年
夫婦のみの高齢世帯…882.1万世帯(32.1%)
おひとり様の高齢世帯…873.0万世帯(31.8%)
おひとり様の高齢世帯は、孤独死、認知症の進行、詐欺等犯罪に巻き込まれるリスクなどの問題をはらんでいるため、どうにか回避したいと本人はもちろん、家族も思っているもの。吉田直美さん(仮名・55歳)もそう。田舎に住む義実家に住む義母・吉田妙子さん(仮名・82歳)。義父が亡くなり、3年ほど前からひとり暮らしをしています。
子どもは直美さんの夫である、次男の和樹さん(仮名・57歳)のほか、長男・達也さん(仮名・60歳)、長女・里美さん(仮名・54歳)の3人。実家を出たのは30年以上前のこと。実家へはそれぞれ、新幹線や飛行機を使って3~5時間ほどかかるところに住んでいます。
義父が亡くなったあと、ひとり暮らしに不安を覚えた妙子さんは、長男・達也さんに相談をしたそうです。遠回しに同居できないかと。ただその数が多かったようで、段々と長男家族は実家から遠ざかっていったといいます。
次のターゲットは長女の里美さん。同じように、遠回しに同居できないかと相談。同じく、その数が多かったようで、徐々に長女夫婦も実家を避けるようになっていったといいます。
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