共働き世帯が多数派を占める昨今において、夫婦喧嘩の原因になりやすいのが「家事負担」。特に夫が正社員、妻がパートなどの非正規社員の場合、妻が圧倒的に負担を負っているケースが多く、妻の不満は蓄積するばかり。夫には夫の言い分もあるのでしょうが、ちょっとした夫の不用意な「ひと言」が妻の怒りを爆発させてしまうこともあるようです。
「パートなんだから時間あるだろ?」…食べ終わった皿を洗わず居直る月収40万円・44歳サラリーマン夫に年下妻、大激怒。間髪入れず放った〈痛恨のひと言〉に夫、撃沈 (※写真はイメージです/PIXTA)

夫の禁断の「ひと言」に、妻が大激怒

そんなある日、夫婦の間に騒動が勃発。久美さんがパートに出た日、リモートワークで自宅で仕事をしていた博さん。久美さんはパート上がりに幼稚園の預かり保育に預けていた娘をピックアップ。そのあと、スーパーで買い出しをし、そのまま長男の習い事のサッカーの送迎へ。帰宅したのは夜の7時すぎだったといいます。ここから急いで子どもたちに夕食を食べさせ、下の子を風呂に入れ、寝かしつけまで一気にこなす久美さんに、すでに仕事を終え、テレビを観ながら寛いでいた博さんが呑気に話しかけます。

 

――夜ご飯、いつ出来る? 俺、腹ペコだわ

 

――ちょっと待ってよ。ていうか、食べ終わった皿くらい自分で洗ってよね! こっちだって忙しいのよ

 

博さんが昼食を食べた際、使った鍋や皿がキッチンのシンクにそのままの状態で放置。それを見て苛立つ久美さん。いきなり叱責され不機嫌になった博さんは、思わず言い返してしまいました。

 

――忙しいって、パートで働いてるだけだろ? 俺より家にいるんだから家事くらいちゃんとしてよ

 

――はぁぁ? 家事も子育てもろくにやらないくせに。あなたがもっと稼いできたら、家事くらい完璧にやるわよ!

 

見たことのない久美さんの剣幕に、博さんも子どもたちも思わず仰天。

 

――あまりに腹が立って、いままで心の中でずっと思ってたこと、言っちゃいました……

 

温和な性格で普段あまり怒ることがないという久美さん。そんな妻の見たことのない顔に少しは反省をしたようです。博さんも、さらには子どもたちも、以前よりも家のことを手伝うようになったといいます。

 

子育て世帯のパート妻は「年収の壁」を意識して働いているケースが少なくありません。それを本意と捉えるか不本意と捉えるかは、夫の稼ぎ次第ともいえます。厚生労働省の調査によると、40代前半・大卒サラリーマンの平均月収は月42.4万円、年収704.1万円で、月収40万円、年収600万円の博さんは平均を少々下回っています。

 

「パート妻には家のことをしてほしい」と考える夫と、パートタイムであれ仕事に従事し、さらには家事と育児もこなして疲弊し、「夫にも家のことをしてほしい」と考える妻には、大きな意識の隔たりがあるようです。

 

年収の壁の話題が取り立たされていますが、見落としがちな「夫の壁」に対しても、夫婦の意識改革が必要なのかもしれません。

 

 

[参考資料]
厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』