孫を激愛する元小学校教員の父が突然引きこもり…家族との接触を完全シャットアウト
吉田美恵子さん(仮名・45歳)。72歳になる父(72歳)は、元小学校教師。真面目で実直な性格が取り柄だといいます。
――家でも学校の先生という感じでした。家にも先生がいるわけですから、子どもの私たちからしたら、最悪ですよね(笑)
母(父の妻)は、美恵子さんが高校のころに逝去。3人の子どもを大学まで進学させたのは、父が亡き母と交わした約束だった(らしい)といいます。父は60歳で定年を迎えたあと、65歳まで教育関連の会社で働き引退。それまで親の心配などしたことがなかったと美枝子さん。しかし、仕事を辞めた親をみると、いよいよ高齢者の仲間入りと思い、急に実家で1人暮らしをする父のことが心配になったといいます。
――ひとりで大丈夫? 生活費は足りてる? と尋ねたら「バカにするな!」と怒鳴られました(笑)
元教師の父は、年金月22万円(らしい)と、平均よりも多くもらっている様子。貯金も「ひとり暮らしだが、老後資金2,000万円不足問題に耐えられる」といっていたことから、2,000万円はあることがうかがえたといいます。確かに、そんな父に対し「お金足りてる」の質問は失礼だったかもしれません。
ただ家族との交流は盛んで、特に孫に対してはメロメロだったといいます。過去形なのは、昨今、父に異変が生じているから。
――あるときから、急に引きこもり気味になって。遊びに行こうとしても「都合が悪い」、遊びに誘っても「都合が悪い」。家から全然出ていないみたいで
そんな状況にしびれを切らし、きょうだい3人が示し合わせて、ある日、実家に突撃したといいます。このときも父は子どもたちを拒絶したとか。それでもあの手この手で父を玄関に誘い出し、3人は強行突破。「勝手に入るな!」と大声の父を無視して家の中へ。ただリビングの異様な光景を目の当たりに、息を飲んだといいます。
――壁という壁に付箋が貼ってあったんです。父の性格からか、几帳面に、びっしりと
そこに書かれてあるものをみて、美恵子さん、ハッとしたといいます。そして父に問いかけます。
――お父さん、ちゃんと病院行った?
観念したように首をふる父。後日、美恵子さんが付き添い病院に行ったそうです。